コロナ禍だからこそ、普段できない生きかたを。アメリカの大学生たちのポジティブな発想

みなさん、こんにちは。アメリカのオレゴン在住の山本佐和と申します。こちらでアメリカの高校生対象にAdmission Consulting(日本でいう進学カウンセラーです。大学選びや出願書類作成はアメリカの高校生にとってもなかなか大変なものです!)をするかたわら、これからブログの記事も書かせていただくことになりました。

今回は、アメリカの大学生はコロナをどう乗り切っているのか、現地からお届けしたいと思います。

ユタ州のザイオン国立公園

オンライン授業。どこで受ける?

2020年12月の時点では、アメリカの多くの大学の授業はオンラインです(小さなリベラルアーツ・カレッジには対面授業を行っているところもあります)。

実家に戻って授業を受ける学生もいますし、キャンパスが学生に開放されている場合は、寮から、またアパートから、リモートの授業を受ける学生もいます。

おもしろいのは友だちと一緒にアパートを借りる学生たち。それもせっかくの機会なのでどこか楽しいところに借りようという学生がかなりいます。やっぱり大学生活は、友だちと一緒に過ごしたいですよね。

ちなみにハーバードの学生を対象にリサーチした結果(Harvard Open Data Project, December 2020)、約5人に1人の学生は、友だちと大学近郊ではないところにアパートを借りたそうです。

「楽しいところ」といっても、人によっていろいろあると思います。

Wi-fiがしっかりしていてオンライン授業に必要な環境が整っている、治安がいい、そして家賃もお手頃ならば、基本的にはどこでも住めるはずですね。

ちなみに大都市の大学の学生ほど自然が豊かなところへ、逆に大都市から離れたところの大学の学生ほど都市に惹かれる傾向があるようです。

いくつか実例を紹介しましょう。

自然豊かなユタ州で

ニューヨークのコロンビア大学の寮に住む予定だったMia Saengerさんは、水泳部のチームメイト2人と一緒に、ユタ州に3LDKのアパートを借りました。

ユタ州はアメリカ西部ある州で、豊かな自然で有名です。近くにはグランドキャニオンなどの国立公園がいくつもあり、数時間で行けるのでこれを機会に国立公園巡りができたそうです。近くのプールやジムも空いていて、毎週コロンビアのコーチから送られてくるワークアウトもスムーズにこなせたそうです。

ワークアウトはその日によりますが、3,000~6,000ヤードくらいをさまざまなテンポでこなしていきます(アメリカではメートルの代わりにヤードが一般的に使われています。1ヤードは約0.91メートルです)。大都市ニューヨークとはまったく違う、自然が満喫できる環境をとても楽しんでいるようです。

また、これはハーバード大学の3年生の5人グループ、彼らもユタ州に惹かれてアパートを借りたそうです。天文学に興味があった彼らは、アメリカでは最も平均標高が高い町の1つ、ブライアンヘッドにアパートを借りました。光害がほぼない星空は息をのむほど素晴らしいと言っています。

紅葉で有名なメイン州で

雪深いメイン州

ハーバード大学の別の3年生の4人グループは、メイン州(アメリカ本土最北部にあり、カナダもすぐそこです)に住むことにしたそうです。理由は

  1. アメリカでは一番コロナ患者の数が少ない
  2. ボストンよりも安く住める
  3. ハーバードと時差がない(朝8時の授業は、やはり8時に受けたい)
  4. ロッククライミングとジョギングが簡単にできる(ストレス解消のために必要)
  5. メインの都市ポートランドにはとても美味しいレストランがたくさんある

ということでした。

日当たりのいい広々としたアパートは、手狭な寮とは違ってキッチンもついているので晩ご飯をつくるのもとても楽しいみたいです。ここ数年、「アメリカで一番美味しい都市」と雑誌等によくとりあげられているポートランド、食材もなかなか安くて美味しいものが豊富みたいです。

海外に出る学生も

留学生はやはり母国に帰る学生がほとんどですが、友だちも連れて、というケースもかなりあるようです。

とある3年生グループはアイスホッケーができるところを探した結果、アイルランドからの留学生と一緒にアイルランドに住むことに決めたそうです。

またイスタンブールに友だちと一緒にアパートを借りている3年生のロベルト・ポンス君は、こんな機会はおそらくないだろうと考え、夏休みにトルコ語を集中して勉強した後トルコに行きました。初めてのヨーロッパに住めることができてとてもラッキーだと言っています。

大学から家賃と食費の補助が?

ぜひビーチに住みたいとカリフォルニアのサンタクルーズにアパートを借りた10人組がいますが、家賃の出費もおさえることができています。

もちろん実家が一番安く上がるとは思いますが、First Generation Student(親が大学に行っていない家庭からの学生)には、自分の部屋もなくWi-fiもない、実家の仕事も手伝わなくてはならないという学生も少なくありません。

大学によっては、そのような学生に対して奨学金の一部として、実家あるいは大学寮に住まない場合は家賃と食費を補助してくれます。親の経済状況にもよりますが、1学期に4,000~5,000ドル出してくれる大学もあります。

積極的&前向きに考えていくこと

せっかくお金を出して大学に行くのだから、何をやるのか、どこに行くのか、自分でとことん考えて、決めることが奨励されているアメリカの大学。そんな中、彼らは普段とは違う環境に長期間身を置くことで、新しい発見や出来事に出会おうとしています。

アメリカといっても大都市と小さな町では出会う人や出来事もかなり違ってきますね。新しい経験や出会いがむずかしい時期ですが、いまだからこそ、いましかできないことは何だろうと考えていくのも大切ではないでしょうか。

コロナ禍だからこそ新しいアドベンチャーや生活にトライできる、そう考えるのもおもしろいのではないかと思います。


著者紹介

アメリカのオレゴン州在住の山本佐和です。アメリカ生まれで、子どもの頃からずっと日本とアメリカを行ったり来たりして育ちました。大学生の息子と娘、高校2年生の娘がいます。


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