アメリカの大学に1年生から入学するのではなく、日本の大学で学んでいる学生が、2年生あるいは3年生から編入するための手順、「単位の移行」と手続きについて解説していきます。

もくじ

大学編入までの流れ

日本の大学からアメリカの大学に編入するためには、大まかに以下のプロセスを踏むことになります。

  1. 志望校の見当をつける
  2. 出願書類をそろえる
  3. 志望校を絞り込む
  4. 出願する
  5. 合否の結果が出る
  6. 入学校を決める
  7. 入学・渡米手続きを行う
  8. 渡米する

留学準備の内容は、1年生(Freshman)として入学して留学する場合と、2年生あるいは3年生から編入生(Transfer Student)として留学する場合とで、それほど変わりません。一般的な留学準備の進めかたについては、「大学留学の準備の進めかた」のページを参照してください。

「単位の移行」とは?

University of Massachusetts Amherst
University of Massachusetts Amherst

「単位制」のアメリカの大学は、日本の大学の単位も認めてくれます。編入留学においては、日本の大学の単位を、編入先のアメリカの大学に移行して、卒業単位として認めてもらうことになりますが、そもそも「単位を移行する」とはどういうことでしょうか?

卒業単位の半分まで認められる

アメリカの大学の多くは、120〜130単位を、卒業に必要な単位数としています。 そしてその半分までは、他の大学で取得した単位を認めてくれます。だいたい「60単位までは認めてくれる」と理解しておけばいいでしょう。

学年も単位で決まる

またアメリカの大学は、取得単位数で学年が決まります。たとえば「0〜30単位であれば1年生」「31〜60単位であれば2年生」とかです。 したがって、もし 60単位認められれば、3年生として編入することになりますし、36単位認められれば2年生として編入することになります。

認められる単位はどのように決まるか

ではアメリカの大学はどのようにして日本の大学の単位を認める/認めない、という判断をするのか、といえば、出願書類の1つである成績証明書をもとに判断することになります。

日本の大学の成績証明書には、それまでに履修した科目の

  • 科目名
  • 単位数
  • 成績

が記されています。大学によっては科目番号や履修年度、そしてGPA(成績平均値)も記載しています。

これを手がかりとして、編入先の大学は、その大学で開講している科目と、

  • 同じレベル
  • 同じ内容

の科目であれば、基本的にその単位を認める、という判断をします。ただし「不可」をとった科目は認められません。

単位の認否において、大学のレベル(偏差値)や知名度は問われません。文部科学省に認可されている大学であれば大丈夫です。放送大学でも夜間の大学でもかまいません。

編入に必要な書類

アメリカの大学に編入するために必要な書類は、一般的には以下の通りです。

  • 願書
  • 高校3年間と大学(出願の時点まで)の成績
  • エッセー(自己アピールの作文)
  • 推薦状 2通(大学の先生に書いていただくといいでしょう)
  • TOEFL®テスト、SAT®などのスコア

これらに加えて、大学によっては面接が課されます。また芸術大学や音楽大学の場合、ポートフォリオと呼ばれる作品集や、オーディションに代わるものとして演奏やパフォーマンスの動画の送付が求められます。

合格の決め手は大学の成績

Northeastern University
Northeastern University

これらの書類のうち、合否を最も大きく左右するのが、大学の成績です。大学レベルの科目でよい成績を修めていることが、アメリカの大学の学業についていける1番の指標になるからです。

編入留学を考えている人は、分野にかかわらずすべての科目でよい成績を修めるようにしてください。成績がよければ、それだけ志望校の選択が増えますし、合格の確率も高まります。また奨学金をもらえる可能性も、その額も高まります。

成績証明書は英文のものを提出することになりますが、これは学務課や教務課で発行してくれます。

GPAを理解しよう

アメリカの大学に編入する際に知っておきたいのが GPA(ジーピーエー)という数字です。

これは Grade Point Averageの略で、「成績平均値」のこと。最高ポイントは 4.0で、アメリカの大学によって、GPA2.5以上とか 3.0以上といった入学基準を設けています。

日本の大学ではだいたい優・良・可・不可の4段階で成績が出ます。アメリカの大学は A・B・C・D・Fの5段階です。日本の成績は、英文の成績証明書では

優 → A
良 → B
可 → C

このように表記されます。不可の場合は英文の成績証明書では表記されません。

成績の平均値であるGPAの算出方法は、まず、優・良・可それぞれの成績を、以下のようにポイント(Grade Point)に換算します。

日本の大学の成績 英語表記の成績 Grade Point
A 4.0
B 3.0
C 2.0
不可 ※英文の成績表には表記されない

次に、優・良・可それぞれの科目の単位数に応じて Grade Pointを掛け算し、それらの合計を算出します。そしてこの x+y+zの合計ポイントを、すべての科目の単位数で割った数値が、GPAです。優半分、良半分の成績であれば、GPAは 3.5になります。良が 3分の2、可が 3分の1であれば GPAは 2.67です。オール優であれば GPAは 4.0になります。日本の大学によっては、Aよりもさらに上の成績として AAとか Sといった表記をされることがありますが、これらはいずれも Aつまり 4.0ポイントとして計算します。また Pass(P)か Fail(F)かでつけられる成績については、GPAには換算しません。

Grade Point Average(成績平均値)の計算法
優の科目の単位数×4.0ポイント=xポイント
良の科目の単位数×3.0ポイント=yポイント
可の科目の単位数×2.0ポイント=zポイント
(xポイント+yポイント+zポイント)÷総単位数=GPA

 

「不可」「未履修」科目の扱いに注意

ここで日本の大学が発行する英文の卒業証明書に記載される GPAについて、注意しておきたいことを述べます。

基本的には、不可になった科目やいわゆる「未履修(履修登録はしたが実際には履修していない)」の科目については成績証明書に表記はされませんが、それらの科目が表記されていないにもかかわらず、成績のポイントが「0」として GPAに換算されてしまう場合があります。成績証明書に記されている科目と成績から計算される GPAよりも著しく低い GPAが記されてしまうこともあって、しばしば編入留学を志す人を戸惑わせています。

その対策として、日本の大学の英文成績証明書を、一般的なアメリカの大学の成績証明書に置き換えて表記してくれるサービスを利用することが重要になります。

World Education Service(WES)が、そのサービスに関しては最も広範に用いられています。WESの成績証明書には、もともと表記されていない科目の成績は GPAに換算されません。そのため GPAの数値も高くなります。アメリカの大学も、編入留学生に対しては WESの証明書を求めることがよくありますので、有料ではありますが、積極的に利用しましょう。

出願のタイミング

出願にあたっては、各大学が定めている出願期限までに必要な書類を提出して、審査を受けることになります。

多くのアメリカの大学が、1〜3月を出願期限としています。合否が出るのは 3〜4月くらいです。新年度は9月に始まります。 前年の 11月に期限を設けている大学もあります(UCLAなどカリフォルニアの州立大学がそうです)。また“Rolling”といって、定員がいっぱいになるまで出願を受け付けるという大学もあります(二年制のコミュニティ・カレッジがそうです)。そうはいっても、合否が出た後でビザ申請などのために時間がかかりますから、遅くとも 4, 5月には出願したいところです。

出願の時期についてなどより詳しくは、「大学留学の時期」のページも参考にしてください。

また、単位の移行についてのより具体的な質問や、編入留学についてより詳しく聞きたいかたは、個別の「留学相談」をご利用ください。

アメリカ留学の準備と手続きを知る

留学実現までにすべきこと

自分で準備? サポートは必要?

留学を実現するには、どんな準備を、どんな手順で進めればいいのか。
合格から卒業までを個別にサポートする「アメリカ進学プログラム」を紹介します。

アメリカ進学プログラムの一部

  • 留学までのスケジュール管理
  • 志望校の選択
  • 推薦状・エッセーの指導
  • 費用に合った学校選び
  • 奨学金についての指導
  • 授業対策
  • 出願書類作成
  • 合格後の手続、入寮準備
  • 渡航手続
  • 現地での準備セミナー
  • ボストンでのアフターケア

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