アメリカの私立大学とは?

アメリカでは、質の高い大学は州立よりも私立のほうが多いということをご存知でしょうか? たとえば、「アイビーリーグ」と呼ばれる名門大学8校(ハーバード、イェール、ペンシルバニア、プリンストン、コロンビア、ブラウン、ダートマス、コーネル)はいずれも私立大学です。 またアメリカで最もポピュラーな「大学ランキング」として知られるUS Newsの全米総合大学ランキングでも、トップ20を私立大学が占めています。 「州立よりも私立のほうが質が高い」のは、国立のほうが私立よりも格が上とされる日本とは異なる、アメリカの大学の大きな特色といえるでしょう。 アメリカの私立大学は、大きく私立総合大学とリベラルアーツ・カレッジに分類されます。このページでは、それぞれの大学の特徴についてお話ししましょう。

アメリカの私立総合大学とリベラルアーツ・カレッジの一般的な違い

私立総合大学 リベラルアーツ・カレッジ
規模 中~大規模が多い
(学生数5,000人以上)
小規模が多い
(学生数1,000~2,000人程度)
構成 さまざまな学部から成り立つ 複数の学部に分かれていない
大学院 学部・修士~博士課程まで設けている 大学院課程は基本的に設けていない
カリキュラム 選択肢の幅が大きい 柔軟性に富む
教授への接しやすさ 規模が大きいほど接しにくい 接しやすい
専門性 分野によっては高い 幅広い教養を重視
学生へのサポート 規模が大きいほど得られにくい 得られやすい
留学生へのおすすめ度 チャレンジ精神が旺盛な人には
英語や学力に不安がある人にも

アメリカの私立総合大学

アメリカの私立総合大学には、アイビーリーグの名門8大学をはじめとして、スタンフォード大学やシカゴ大学、マサチューセッツ工科大学やノースウェスタン大学といった、世界に名だたる名門大学がたくさん含まれます。

だいたい中規模から大規模の大学が多く、学生数でいえば5,000~10,000人くらいです。州立の総合大学のように学生が3万人を超えるなんていうことはありません。

私立総合大学は、メディカルスクール(医科大学院)やロースクール(法科大学院)、ビジネススクール(経営大学院)といった、専門性の高い大学院課程を設けています。これは私立・州立にかかわらず総合大学(University)の一般的な特徴です。

もともと私立総合大学の多くは、後述するリベラルアーツ・カレッジとして設立されました。アメリカで最初にできたハーバード大学(1636年創立)もそうです。

それが時代の要請にしたがって、医学や経営学など、専門性の高い課程を付け加えていき、規模を大きくして、いまの総合大学に発展してきたのです。最近はとくにITや先端科学の研究・開発で世界をリードしています。ノーベル賞受賞者もたくさん私立総合大学から巣立っています。

ただ、こうした専門性の高い分野は、大学ではなく大学院で学ぶものです。そのため、私立総合大学によっては、大学生よりも大学院生のほうが数が多いこともめずらしくありません。

私立総合大学の大学生と大学院生の数
大学名 大学生数 大学院生数
ハーバード大学 6,700 人 15,250 人
コロンビア大学 8,700 人 22,500 人
イェール大学 5,500 人 6,900 人
タフツ大学 5,300 人 5,800 人

私立総合大学の設備はとても立派です。図書館やスポーツジムなどはとても規模が大きく(ハーバードの図書館は私立のものでは世界最大です)、コンピュータラボや理工系の研究所には、最新のテクノロジーが導入されています。

私立総合大学は「多様性」をとても重視しています。似たような学生ばかりを入学させるのではなく、タイプの異なるいろいろな学生を受け入れようとします。その意味では留学生も大歓迎です。卒業生たちは世界中のさまざまな分野で活躍しています。

アメリカのリベラルアーツ・カレッジ

リベラルアーツ・カレッジは、アメリカの大学教育のルーツです。日本での知名度は低いかもしれませんが、いまでも全米に600校ほどあり、質の高い教育を提供しています。

リベラルアーツ・カレッジでは、幅広くさまざまな分野を学んで、異なる価値観を認めながら、バランスのとれた人格を形成することが大切だとされています。専門性の高い分野を学ぶよりも、まず「自分の将来の生きかたを模索し、その基礎をしっかりつくろう」という教育です。

基礎的なことを学ぶといっても、決してレベルが低いわけではありません。リベラルアーツ・カレッジの学生はアメリカで最も勉強熱心な学生たちです。大学院への進学率も高く、アメリカの最高学位である博士号(Ph.D)取得者の出身大学ベスト10のうち7校までをリベラルアーツ・カレッジが占めています。

学生が勉強熱心な大学トップ10
順位 大学名 大学の種類
1位 United States Military Academy 士官学校
2位 Harvey Mudd College リベラルアーツ・カレッジ
3位 Reed College リベラルアーツ・カレッジ
4位 University of Chicago 私立総合大学
5位 Carleton College リベラルアーツ・カレッジ
6位 Grinnell College リベラルアーツ・カレッジ
7位 Franklin W. Olin College of Engineering 私立工科大学
8位 Cooper Union リベラルアーツ・カレッジ
9位 Hamilton College リベラルアーツ・カレッジ
10位 Carnegie Mellon University 私立総合大学
(The Princeton Reviewより)

学生数はだいたい1,000~2,000人くらいで、3,000人を超えることはめったにありません。あえて規模を大きくすることなく、アットホームでフレンドリーなキャンパスを築き上げています。

1クラスの学生数は10~20人程度。先生とも接しやすく、わからないことがあったり悩みごとがあったときには、いつでも相談にのってもらえます。

大学院に進学するためには、まずなによりもしっかりした学力を身につけておく必要があります。リベラルアーツ・カレッジの少人数制の教育は、将来、大学院で専門的なことを学ぶための土台づくりにとても適しています。

授業は先生からの一方的な講義よりも、日本でいうゼミ形式が多く、ディスカッションがひんぱんに行われますから、発想力とプレゼンテーション力がしっかり鍛えられます。

リベラルアーツ・カレッジの多くは、豊かな自然に抱かれた美しいキャンパスをかまえています。学生たちはそこで寮生活を送ります。高校を卒業して親ばなれし、自分の力で考え、決断する力を養うのです。寮生活では協調性やコミュニケーション力も磨かれます。

クラスメイトともすぐに顔見知りになれますし、寮生活を通じて友達も増えていきます。自分の顔と名前を覚えてもらえるというのは、留学生にとっては大きな安心感につながります。

1日24時間をキャンパス内で生活することになりますから、よけいな出費をすることもありません。治安も万全です。保健施設も整っています。キャンパス内でのイベントも頻繁に行われます。リベラルアーツ・カレッジは、キャンパス全体が一つの大きな家族のような感じになっているのです。

リベラルアーツ・カレッジは、リーダーシップをはぐくむことにとても力を入れています。リベラルアーツ・カレッジのほとんどは、もともとキリスト教の教会が設立しました。かつては聖職者こそが社会のリーダーだったからです。リーダー育成の伝統はいまに受け継がれ、卒業生たちは、政治・経済・文化・スポーツ・科学・教育さまざまな分野で先頭に立って活躍しています。

一人ひとりの学生に対してきめ細かくていねいな指導がされるので、英語力に不安がある留学生でも安心して学べます。リベラルアーツ・カレッジも、総合大学と同じように多様性・国際性をとても大切にしていますから、留学生の受け入れには前向きです。留学生へのサポートも行き届いています。

州立大学に比べると学費は高くなりますが、奨学金を得られるチャンスは小さくありません。留学生にも返済不要の奨学金を出してくれるリベラルアーツ・カレッジはたくさんあります。留学生に奨学金をくれる可能性の高さは、リベラルアーツ・カレッジ>私立総合大学>州立総合大学>コミュニティ・カレッジということになりそうです。

私立大学の種類別に見る合格への道

バラエティに富んだアメリカの私立大学――。じつは入学基準も大学によってさまざまに異なります。というのも、アメリカの大学には一斉入試がないからです。高校の成績やエッセー(自己アピールの作文)、高校の先生からの推薦状といった、いくつもの書類を多角的に評価して、合否を決めます。

以下に、アメリカの私立大学の種類ごとに、留学生の合格対策を考えてみましょう。

1.私立の超エリート大学に合格するために

ここでいう「超エリート大学」とは、アイビーリーグ大学や、それに匹敵するリベラルアーツ・カレッジです。

勉強ができるだけでなく、スポーツに秀で、ボランティアに熱心で、楽器も弾けて、政治を熱く語り、スピーチでは人を惹きつける、そんなスーパーエリートが世界中から集まります。そんな高校生いるの? と思うかもしれませんが、世界は広いのです。

それだけに合格するのも至難のワザです。高校の成績、エッセー、推薦状といった書類や面接を通じて、いかに自分が優秀であるかを大学にアピールしなければなりません。

このレベルになると、ただ「よくできる」だけでなく、ほかの出願者にはない「光る個性」のようなものも必要です。エッセーでは、創造力と感性、そしてオリジナリティが求められます。

アメリカの大学への出願は、「自己アピール合戦」のような面もあります。とくに面接は自己アピールの絶好のチャンスになるでしょう。

TOEFL®スコア、SAT®スコア(※)ともに高得点が求められますが、ハーバードでは留学生にTOEFL®スコアの提出を求めていません。「英語はできて当たり前」ということです。

※TOEFL®テストは、英語を母語としない留学生を対象とした英語のテストで、SAT®は、アメリカの高校生を対象とした、国語(英語)と数学の学力テスト。いずれも日本でも受けられる。

卒業生や教職員の子女(「レガシー」といいます)が優遇されるのも大きな特徴です。その大学の理念をすでに理解しているとみなされるからです。自分の期待する教育が、その大学の理念とうまくかみ合っていることが、合格するためには欠かせません。

【私立の超エリート大学の例】
 ・ハーバード大学
 ・イェール大学
 ・コロンビア大学
 ・スタンフォード大学
 ・コーネル大学
 ・マサチューセッツ工科大学
 ・ウィリアムズ大学
 ・ウェルズリー大学
 ・アマースト大学
 ・スワースモア大学
  など

2.私立の名門大学に合格するために

アイビーリーグ大学には1歩ゆずるけれど、それでも「名門」と呼ばれるに恥じない総合大学やリベラルアーツ・カレッジです。全米そして全世界から学生が集まります。

やはり勉強だけでなく、スポーツやボランティアにも熱心な学生が求められます。

高校の成績がよいことは必須ですが、バランスよく、さまざまなことに好奇心をもち、行動力を兼ね備えていることが大切です。リベラルアーツ・カレッジでは、TOEFL®テストやSAT®のスコアの面はいくらか大目に見てくれることもあります。

留学生の人気が高い大学も多く、国際色に富んでいます。大学院への進学率が高いのも特徴の一つです。卒業生たちは、世界のさまざまな分野で活躍しています。

【私立の名門大学の例】
 ・南カリフォルニア大学
 ・ボストン大学
 ・ニューヨーク大学
 ・シラキュース大学
 ・アメリカン大学
 ・ジョージワシントン大学
 ・バックネル大学
 ・オバーリン大学
 ・コロラド大学
 ・ラファイエット大学
  など

3.私立のオーソドックスな大学に合格するために

決してレベルが低いわけではなく、それぞれの大学の理念と伝統にもとづいて、良質な教育を行っている総合大学やリベラルアーツ・カレッジです。

それなりに多様なバックグラウンド(出身地や家庭環境など)をもつ学生が集まります。学んでいるうちに向学心に火がついて、やがて大学院に進学する学生も少なくありません。

合否は、成績やエッセー、推薦状やテストスコアを総合的に判断して決められます。エッセーがユニークだったり課外活動でめざましいリーダーシップを発揮していたりすると、成績やテストスコアについては大目に見てくれることもあります。

小さなリベラルアーツ・カレッジでは、一人ひとりの学生に対して親身なサポートをしてくれるので、英語や勉強にそれほど自信のない留学生でも安心して学べます。こうしたリベラルアーツ・カレッジで留学の第1歩を踏み出して、2年後に総合大学に編入したり、卒業後に大学院に進学したりする留学生もたくさんいます。

【私立のオーソドックスな大学の例】
 ・タルサ大学
 ・ドレクセル大学
 ・ホフストラ大学
 ・イサカ大学
 ・カニシアス大学
 ・ドレーク大学
 ・メリーボルドウィン大学
 ・ロアノーク大学
 ・アーサイナス大学
 ・ホリンズ大学
  など



留学のご相談は、こちらからお問い合わせください
電話 東京03-3224-0777 電話 大阪06-6367-0205
月曜日~土曜日 10:00~18:00 ※木・日曜日及び祝日はお休みです。
留学相談 資料請求
留学のご相談は、こちらからお問い合わせください
電話 東京03-3224-0777 電話 大阪06-6367-0205
月曜日~土曜日 10:00~18:00 ※木・日曜日及び祝日はお休みです。
留学相談 資料請求