数字からみるアメリカの大学

今回の「留学ブログ」では、さまざまな統計データからアメリカの大学を観察してみたいと思います。

アメリカの大学分類としてよく使われるカーネギー教育振興財団の統計によると、アメリカの大学は現在4,635校あるそうです。

その中には、公立(州立)・私立2年制大学、州立・私立4年制大学(大学院課程をもつ大学もあれば、もたない大学もあり、また2年制の学位=準学士号を提供する4年制大学もあります)、大学院課程しかもたない大学、メディカルスクールのみ大学、ロースクールのみの大学、エンジニアリング・技術・ビジネス・芸術・医療専門職養成などに特化した大学、黒人のための大学、ネイティブアメリカンのための大学、営利を目的とする大学(日本流に言うと株式会社立大学)など、ありとあらゆる種類の大学があります。

そのうち、州立(公立)大学1,705校、私立大学1,714校、営利大学1,216校です。最近5~6年で大学数が500~600校くらい増えているのですが、営利大学の増加がその主な要因です。4年制大学と2年制大学の割合はそれぞれ62%、38%です。4年制大学のうち州立大学は24%、私立大学は76%、2年制大学のうち公立(州立)は58%、私立大学は42%です。

一方、日本の大学(大学・短大・高専)の合計は1,231校で、その内訳は大学778校、短大395校、高専58校です。また別の内訳として、国立137校(うち大学86校、高専51校)、公立125校(うち大学95校、短大26校、高専4校)、私立969校(うち大学597校、短大369校、高専3校)という数字です。(2010年5月1日現在、文部科学省のデータより)

アメリカ教育省のNational Center for Education Statistics 2011という統計によると、2009年のデータとして、アメリカの大学(2年制・4年制・大学院を含む)に在籍している学生数は20,428,000人で、そのうち男子学生は 8,770,000人、女子学生は11,658,000人です。

アメリカの大学生は女子の方が多いということが1つの特徴で、工学系の大学などを除き、ほとんどの大学は女子学生の比率が高くなっています。

また、フルタイム学生とパートタイム学生の数はそれぞれ12,723,000人、7,705,000人で、働きながら大学に通っているパートタイム学生の学生は37.7%を占めます。大学生と大学院生の数を合計は20,427,000人(上記の総学生数の数字と1,000人ほどの誤差があります)で、そのうち大学生が17,565,000人、大学院生は2,862,000人です。

ちなみに、総務省の統計によると2010年のデータとして、日本の大学(大学・短大・高専を含む)に在籍している大学生数は3,098,514人(男子学生1,766,203人、女子学生1,332,311人)で、大学院生数は271,454人(男子学生189,321人、女子学生82,133人)です。

日米の数字を比較すると、アメリカの高等教育の拡充ぶりがわかります。また、アメリカが世界一の高等教育大国ということをあらためて見せつけられます。

アメリカでは私立より州立(公立)の大学に在学する学生数が多いのも特徴です。

フルタイム学生の場合、44 %が4年制の州立大学、26%が2年制の公立(州立)大学(いわゆるコミュニティカレッジ)、19%が4年制の私立大学、8%が2年制の私立大学(いわゆるジュニアカレッジ)、3%が営利大学に在学しています。パートタイム学生に関しては、それぞれ22%、64%、7%、6%、1%です。このように、州立(公立)大学に在学している学生が圧倒的に多いということは、州が高等教育に大きく関わっていることを意味しています。

したがって、アメリカの州立(公立)大学を単純に日本の国立・公立大学と同じようなものと考えてはいけないということです。アメリカ留学のために大学を選定する際には、このようなことも留意しておきましょう。


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