留学生に関心の高い「国連」への就職についてのお話

こんにちは、ITチームのマキです。

今回は、留学を目指す方に時々聞かれる「国連」への就職に関するお話です。

 

国連を「伝える」こと

11月の頭に、国際文化会館の新渡戸国際塾公開講演として、『国連を伝える仕事』という講演会が行われたので行ってきました。

講師は、現役の国連広報センター所長の根本かおるさん。

広報センターとは、文字通り国連の広報、つまり世界の紛争や病気や貧困など困ったことを解決しようとする国連の活動について、色々な国々の色々な人に知ってもらったり、支援・協力してもらうために情報を発信している部門です。

もうすぐ国連は創設70周年。

それだけの長い間の活動を、広報も支えている訳ですね。

立派な仕事ですよね。

 

留学をきっかけにして

国連というとテレビやニュースでは聞くけど遠い存在に感じる人も多いと思います。
どういう人が働いていて、どうやったらそこで働けるんでしょう?
やっぱり子供のころから英語がペラペラで、家も裕福で、世界のために働くことを考えていたエリートじゃないと働けないの? なんて声も聞こえてきそうです。

だけど、根本さんは最初に就職した時は、海外に、ましてや国連に勤めるなんてまったく考えていなかったそうです。

根本さんは最初、日本での花形職業である、テレビのアナウンサーに就職。でも、一見花形ですが、当時は女性がテレビ業界で働くといえば他にあまりポストがなかったそうで、仕事も他の人が調べたことを話すのが中心。そこに違和感を覚えたそうです。

やがて取材に興味を持って記者に転向。そこでもしばらく働くうちにもっと広い世界に出たい、もっと色んなことを知りたいという気持ちが高まってきたそうです。

そこである時、おもいきって会社に「留学したい!」と相談したそうです。当時は社内に留学の前例がなかったものの、情熱で説得して奨学金までもらいコロンビア大学大学院に留学しました。

国際関係論を学びながら、休み中にUNCHRインターンとして行った、ネパールのブータン難民キャンプがきっかけで考え方が大きく変わります。

 

難民キャンプでのインターンを通じて見たこと、感じたこと

「難民」という言葉からみなさんはどんな人たちを思い浮かべるでしょうか?

自分の国や家を追い出された、かわいそうな人。根本さんも最初はそんなイメージだったようです。しかし、実際の現場には、やむにやまれず国を追い出されたものの、自国で有力者だったりそれなりの地位や知識を持っていた人たちがたくさんいました。彼らは、キャンプでただ何もせず過ごすのではなく、自ら学校を作り、仕事を作り、頭を使い、非常に力強い存在だったといいます。

それをきっかけに、根本さんは国連を目指し、自らポストを探し、その世界に飛び込んでいったそうです(ちなみに留学させてくれた会社側には平謝り(?)だったそうですが、自分の思いのたけをぶつけながら、今ではかえって良好な関係を作っているとか)。

「難民は私にとって教師のようなもの」というような意味のことを、根本さんは何度かおっしゃっていました。

 

国連で、世界で、活躍してほしい

今は彼女は広報として、学校や色々な機関に行っては国連のことを話し、協力している人や組織を探してがんばっているそうです。

若い人たちにも、機会があったら日本の外に飛び出して欲しい!
学生も参加していた講演会で、そう根本さんはそうおっしゃっていました。

国連の正規職員は、ポスト制で空いているところに、何かの専門を持った人が即戦力で入るのが基本だけれど、日本人はまだまだ少ない。日本人をもっと入れたいと職員も思っているから、希望する人はどんどん情報を探して応募するとチャンスがあるかもしれない。

また日本の国(外務省)が雇うかたちでのインターンや、ボランティアなどの入り口もある。

仕事は大変だけどやりがいがある。要職も含めて女性職員も多く、女性でも働きやすい環境や、風通しのよさもある。

給与や年金もしっかり支払われるし、出身国から遠く離れた場所で働いても家族と会えるように帰国/呼び寄せのお金も2年に1度飛行機のチケット代が全額支給されたりなど、働きやすい環境を整えるための手厚いサポートもある。

ぜひ多くの日本人にも挑戦してほしい。


参加者みんなに、とりわけ若い人や学生たちに、そんな呼びかけをして、根本さんは講演会を終えました。

 

国連に関心があったり、留学して世界へ飛び出してみたいと考える人は、ぜひ以下のWEBサイトをチェックしてみてください。

 

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国連への就職・求人 参考URL

根本かおる「女性職員から見た、職場としての国連」
http://www.unic.or.jp/activities/humanrights/discrimination/women/womens_day_2014/nemoto/

「国連で働く」(国連の仕事や求人関連ページ)
http://www.unic.or.jp/working_at_un/

外務省 国際機関人事センター「専門性を伸ばすための職務経験(インターン,ボランティア等)」
http://www.mofa-irc.go.jp/shikaku/keiken.html


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