アメリカの大学が求める人材であることをアピールする「面接」

こんにちは! 1月から栄 陽子留学研究所でお手伝いをさせていただいている、武田です。昨年、コネチカット州にあるリベラルアーツ大学、ウェズリアン大学(Wesleyan University)を卒業しました。

専門の経済学と社会学(特に組織論)の理解をさらに深めるべく、今秋からシカゴ大学(The University of Chicago)の修士課程へ進学します。現在お手伝いをさせていただいている生徒さんと同時期に渡米することになるので、スタッフでありながら同期でもある気持ちです。

今回の「留学ブログ」では、私が担当している「インタビューセミナー」についてお話しします。


アメリカの大学への進学におけるインタビューとは?

インタビューとは、面接のことです。前回の記事でも紹介されていますが、アメリカの高校や大学・大学院が、出願者を審査する際に面接を行う場合があります。日本からの留学生は、スカイプを用いた面接に臨むのが一般的ですが、出願校の卒業生が日本に住んでいれば、その卒業生が面接官となって、日本で面接が行われることも少なくありません。

インタビューは自分をアピールする最高の機会です。厳密な試験の点数などでの選考がない分、アメリカ大学入試は「売り込み合戦」のような相を呈します。

つまり、自分がいかに志望大学にとって有益であり、将来、大学の名を背負って世界で活躍できることをどれだけ大学に示すことができるかが鍵となってきます。その大学の求めている人材であると示すのがアメリカ大学入試なのです。

その中で、インタビューは、学校の成績やSAT®などの試験の点数や書類では測ることのできない人間的な部分をアピールするのに最高の場です。

 

アメリカの大学が求める人材とは?

一般的に、アメリカの大学が求める(というよりも、アメリカ社会で評価される)人材が持つ要素は、以下に要約されます。

 

賢さ(思考の緻密性)

一言で賢さといっても、いろいろな要素が考えられます。たとえば、数学などで測ることができる、理論的思考や、見た目に騙されず物事を鋭く捉えることができる批判的思考法、さらには単純に記憶力なども含まれます。

これらの要素は、それぞれ得意不得意に個人差がありながらも、どれも大学で、さらには、将来いろいろな分野で成功するのに重要な能力です。

しかし、これらの能力は必ずしもテストなどで測るのは難しいため、バランスよく受験者の賢さを評価するために面接を行います。

論理的思考と批判的思考に関連して、もう一つ、考えの緻密さという重要な要素があります。

これは、一見単純に見える事象を掘り下げて考え、本質に迫るために重要な能力です。

世の中のあらゆる事象・現象は複雑な要素がこれまた複雑難解に相互作用している場合がほとんどです。その際に、事象を一つひとつの要素に分解し、分析し、それぞれの関係性を総合して考える能力がますます重要になります。

 

創造性(クリエイティビティ)

創造性も書類では測りにくい、かつ、重要な要素です。無から有を創り上げる、新たな価値を生み出すのは創造性です。最近では、スティーブ・ジョブスなどを想像してもらえるとよくわかると思います。

 

社交性

アメリカの大学では、多くの場合寮での集団生活になります。また、授業も議論形式が主流であるため、自然と教授・友人との共同作業が多くなります。社会性のない、 周りの人とうまく人間関係を構築することができなければ、即、大学生活の失敗に直結しかねません。

また、社会に出てからも、職場の同僚やビジネスパートナー、さらには家族との関係が成功の鍵を握っていることがほとんどです。

いくら学校の成績がよかったからといえ、職場で嫌われ者であったら仕事がうまくいくはずもありません。そういう意味で、大学コミュニティへの有益性・将来の可能性を考える上で、社交性は実は最も大事な要素の一つと言えます。

 

努力家

一定以上の努力を継続して行えることは、いうまでもなく成功への必要条件です。

 

リーダーシップ

アメリカ人はリーダーシップという言葉が大好きです。人々をまとめ、方向性を示すことができることは重要な能力であると考えられています。これは、リーダーシップは創造性によって生まれた「価値」を社会へ実際に「deliver」するという役割を担っています。

 

自らの資質をいかに出願校にアピールするか

出願者は、自分がインタビューで上記の質を有していることをアピールします。ただ、アピールする際に、「自分は賢いです」とか「自分はリーダーシップがあります」といっても、表面的になってしまいます。インタビュー成功の鍵は、相手に自分が上記の質を有していることを『悟らせる』ことです。

簡単な例として、「自分が強いリーダシップをもっている」とアピールしたいとします。この際、「私は学校でサッカー部のキャプテンとしてリーダシップを発揮しました」ではダメです。そうではなく、自分がリーダーシップを発揮したと思う出来事を自分の貢献を中心にストーリー(Narrative)として話します。たとえば以下のようなエピソードを通してリーダーシップをアピールすることができます。

 

「私は、高校3年生の時に50人のサッカー部のキャプテンをしていました。チームは全国大会の出場をめざして毎日練習をしていました。しかし、学校が進学校だったので、勉強と部活の両立には苦労しました。3年生時には、1日2時間しか練習時間を取ることができず、毎日最低4時間は練習したであろう他校と渡り合うためには工夫が必要でした。

そこで、キャプテンとして練習のカリキュラムを見直しました。以前は、重要な技術の練習を中心に反復練習を何度もしていたのですが、毎日学校の図書館へ通い自学自習でボクシング用のトレーニング法に学び、一つひとつのメニューを短くして、その代わりに練習内容と実戦の関係を意識しながらトレーニングするようにしました。

さらに、部員一人ひとりのモチベーションを高めるため、副キャプテンと相談し自ら進んでコーチを含めない形での自主ミーティングを増やし、部員一人ひとりのチームへの思うことを語り合う場を設けました。その結果、チームの団結力、部員の所属意識などが格段に向上しました。

最終的に、チームは全国出場は成し遂げられなかったものの、部史で初の都大会ベスト4まで勝ち上がることができました。これは、私自身の自信になりました。」

 

このように、自ら「私はリーダーシップがあります」と言わなくとも、自分のリーダーシップ・スキルを面接官にひしひしと伝えることができるのです。

ここで重要なのは、自分のアピールポイントにまつわるエピソードを語ること、そして、そのエピソードが説得力のあるものであるということです。

 

インタビューセミナーで学ぶこと

それを踏まえて、私の担当しているInterview Seminarでは、自分のアピールポイントをエピソードでまとめる練習、そして、それをインタビュー形式で語る技術を学び、その練習をします。

インタビューで、いわゆる、Q&Aのように相手からの質問にこちらから答えるのではなく、質問をきっかけとしてエピソードを通して自分を相手にアピールできるようになることを目標としています。ぜひご参加あれ!


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