【留学体験談】アメリカの大学のテスト対策

みなさんこんにちは!

この9月からアメリカの大学で留学生活をスタートさせた人は、もうすぐ初めての大きなテストを迎えることになります。中間試験(Mid-term Exam)です。だいたい10月中旬〜下旬に行われます。

アメリカの大学では、中間試験と期末試験(Final Exam)に加えて、小テスト(Quiz)が頻繁に実施されます。新学期が始まって、先生の授業の進めかたやクラスの雰囲気にも慣れてきた頃に中間試験があり、何枚ものペーパー(レポート)を書き上げ、プレゼンテーションやディスカッションの準備や大量の課題に追われていると、いつの間にか期末試験になり、あっという間に学期が過ぎていきます。

こんなことを書くと、「アメリカの大学の勉強はきつい!」というイメージしか抱かないかもしれません。たしかに「入学はやさしいけど卒業はむずかしい」といわれるように、アメリカの大学での勉強はたいへんです。

とくに最初のテストでつまずいてしまうと、心がくじけてしまい、勉強に対して後ろ向きになってしまいかねません。

ということで今回は、「アメリカの大学のテスト」について、アメリカの大学と大学院を卒業した先輩から届いたアドバイスをお送りします。ぜひ参考にしてみてください!

もくじ
1.アメリカの大学のテストとは
2.日本とアメリカのテストの違い
 2-1.暗記や一夜漬けは通用しない
 2-2.テストの解答用紙は自分で購入する
 2-3.先生によっては辞書の持ち込みが許可される
3.留学中のテスト勉強の心得
 3-1.普段から予習・復習を心がける
 3-2.日本語で理解しておく
 3-3.優秀な学生のノートを借りる
 3-4.クラスメイトと一緒に勉強する
 3-5.先生の特徴を把握する
4.留学中のテストの思い出
 4-1.徹夜続きでテスト当日に寝坊
 4-2.もしかしてカンニングを疑われていた?
5.まとめ

1.アメリカの大学のテストとは

アメリカの大学のテストは、日本の大学のテストと同じように、選択式の問題と記述式の問題とがあります。

一般教養科目のテストでは選択式の問いが多かったのですが、化学や経済学では選択式と記述式の両方が出題されました。また政治学や、歴史、文学の科目は記述問題が中心でした。

一般教養ではなく専攻科目になると、分野によって出題形式も異なるようです。私は政治学を専攻し、経済学を副専攻としたのですが、政治学の科目のテストはほぼ記述式でした。テストの代わりにレポートを提出することもありました。

特徴として、一般教養科目では、授業で扱われた内容の理解度を問うのに対して、専攻科目は自分の考えを求められることがいえます。

またテスト形式はクラスの規模も影響するようです。私は南部の田舎町にある小さな大学に留学していたので、一般教養科目であっても1クラスの人数は40人弱でした。マンモス大学だと1クラス300人とかにもなるようで、採点に時間のかかる記述式より、選択式の問題のほうが多いという話を聞いたことがあります。またサイエンス系の専攻の場合、実験やフィールド調査がテストの代わりになることもあったようです。

2.日本とアメリカのテストの違い

私の経験から、日本の高校や大学のテストと、アメリカの大学のテストの違いを述べたいと思います。

2-1.暗記や一夜漬けは通用しない

私の経験では、日本の高校・短大のテストは自分のノートを見直してひたすら暗記すれば、ときには一夜漬けで乗り切れました。

アメリカの大学では、いくつかの科目を除いてテストはほぼ記述式で、しかも自分の意見が問われるので、暗記は通用しませんでした。そもそも英語が母語でない私にとっては、英語ですべてを暗記しようとすること自体が不可能でした。

さらに宿題として課されるリーディングの量がとてつもなく多いので、日頃から予習・復習をして内容を理解しておかないと、テスト前にあわてて勉強しても間に合いません。ヤマをはるにはテスト範囲が広すぎ、リスクも大きいのです。

2-2.テストの解答用紙は自分で購入する

これは大学によりますが、アメリカの大学ではテストに使用するマークシートやブルーブックを購買部(Bookstore)で購入し、テスト当日に各自で持参しなければならないことがあります。

みなさんご存知でしょうが、マークシートは複数の選択肢から正しい答えを選び、その部分を塗りつぶすものです。ブルーブックは表紙が青色で、中は罫線が引いてある8〜16ページのブックレットです。それぞれ購買部で25セント〜1ドル程度で買えました。私の経験では、数学や化学の科目ではマークシートを、英語や歴史の科目で記述式の問題にはブルーブックを使いました。

2-3.先生によっては辞書の持ち込みが許可される

私が留学した大学は、留学生を特別扱いせずアメリカ人学生と同等に扱うという考えの先生が多かったので、私自身も「外国で勉強するとはそういうことなのだ」と受け入れていました。

ところが留学3年目に、留学生を多く受け入れている別の大学から転任してきたビジネス担当のインストラクターに、「どうしてきみはテストに辞書を持ってこないのか? 持ってきていいよ」と言われました。私としてはテスト中に辞書をひいている時間さえもったいないと感じていたので、テスト当日に辞書を使用しなかったところ、「辞書を使ってもいいと言っているのにどうして使わないのか? そんな日本人学生に会ったことがない!」と逆に怪訝な顔をされてしまいました。

ほかの大学に留学している人に聞くと、みなさんテストに辞書の持ち込みを許可されていて、実際に使っているという話でした。

結局、テストで問われていることは英語力ではないということなのでしょうね。辞書を使ったところで(英語ができたところで)スコアが大きく変わるわけではないと思います。私はその後のテストでも辞書を使用することはありませんでした。

3.アメリカの大学のテスト対策

アメリカの大学のテスト対策は、日頃からコツコツ勉強する! に尽きますが、そのことを含めて、少し詳しく書いてみたいと思います。

3-1.普段から予習・復習を心がける

とくに一般教養の科目では、授業で扱われた内容を理解しているかどうかが問われるので、普段から予習・復習を心がけることが大切です。一夜漬けの暗記で乗り切ろうとしても、とてもムリです。

私が通っていた日本の高校や短大では、予習をしないで授業に臨んでも授業は理解できましたが、アメリカの大学では、シラバス(授業初日に配布される授業進行表)に、その日あるいはその週の授業で扱うトピックや読書課題が明記されていて、すでに予習はされているとの前提で授業が進んでいきます。ですからアメリカの大学の勉強は予習中心です。

予習しておかないと授業が理解できません。私自身、予習をしないで授業に臨んだときは、あまり理解していないままに授業が終わってしまいました。ある先生がよく言っていましたが、「高い学費を支払って授業を受けているのだから、最大限に活用して、自分の知識として吸収しないともったいない」と思います。

私は、大学の図書館やスタディ・センターで勉強していました。図書館は24時間オープンではありませんでしたが、夜11時まで開いていて、テスト期間中には開館時間が延長されました。
   

3-2.日本語で理解しておく

日本語で理解できている科目は、やはりアメリカの大学で英語で授業を受けてもよく理解できます。

私は日本で社会学系と化学が得意科目だったので、アメリカの大学でも社会学や化学の授業はとっつきやすく、教科書でわからない単語があっても、意味を予測できました。

また、一般教養レベルの数学は、日本の高校の数Iくらいのレベルなので、テストでも満点をとれると思います。

逆にアメリカ人学生にとっては常識でも、私たち日本人にはなじみが薄いアメリカ史とか宗教学といった科目は、英語ができても理解できないことも多いので、日本にいるうちに日本語で親しんでおくといいと思います。また日本の高校では学ぶことの少ない哲学とか経済学、心理学やビジネスといった分野も、日本語で書かれた基礎的な参考書に目を通しておくと、きっと助かると思いますよ。

3-3.優秀な学生のノートを借りる

アメリカの大学の先生は、あまり板書をしません。まれに板書してくれる先生でも、キーワードを書く程度です。日本の高校の先生のようにていねいな板書を期待するのはむずかしいと思います。

ですから、先生の言うことやクラスメイトの発言を自分なりに要約してノートにまとめなければなりません。これはけっこうたいへん、というかコツが要ります。

したがって、自分なりにノートをとれるようになるまでは、クラスメイトからノートを借りることになります。

私は、聡明でノートをよくとるクラスメイトがだれかをよく観察し(笑)、その子にノートを貸してもらえるようにお願いしました。ただアメリカ人学生のハンドライティングは私たち日本人には読みにくく、せっかくノートを借りても、解読できないことが多々あります(汗)。だからといって、読めない単語をいちいち教えてくれるほど彼らも暇ではありませんから、留学してできるだけ早い段階で、ノートをとれるようにするといいと思います。

3-4.クラスメイトと一緒に勉強する

私と同じく政治学を専攻していた学生たちは、テストが近づくと、グループで協力してテスト勉強をしていました。私は留学当初はまったく声がかかりませんでしたが、2年目、3年目になると度々誘われるようになりました。クラスメイトとうちとけたというのもありますが、私のとるノートはクラスで1番という評判があり、私もグループに貢献できるものがあったから誘われるようになったのかもしれません。

私が一緒に勉強したグループは、幸運にも優秀な学生たちばかりのグループでした。テスト範囲で重要な箇所を指摘してもらえるのはとても心強かったですし、一人で勉強していると、ときには挫けてしまいそうになるのですが、みんなで励ましあいながら勉強すれば、やる気が沸いてきて、ジョークを言ったりして楽しく勉強できるので、とても効率がよかったと思います。

グループで勉強した内容は印象に残りやすくて、テスト中に「これみんなで話した箇所だな」と思うこともよくありました。

それに長い目で見ると、こういったクラスメイトとのつながりは、ときには辛くもある留学生活を乗り越えていく原動力になるので、とても大切だと思います。

3-5.先生の特徴を把握する

先生によって、授業の進めかたや学生の評価方法は異なります。各科目のシラバスに成績のつけかたが記されていますので、それをしっかり理解しておくことはいうまでもありませんが、学期が進むにつれて私が重要だと感じたのは、シラバスには記されていない、それぞれの先生の特徴や評価のポイントを捉えることです。

どんなに自分なりに勉強してテストに臨んだとしても、先生の評価するポイントからずれていると、思うようなスコアを得られません。

記述式の問いに対して、だらだら書き連ねるのではなく、要点のみ簡潔に書くことを好む先生もいれば、とにかく量を多く書くことが必要だと考えている先生もいました。「連邦政府」という科目の先生はまさに後者のタイプで、最初のテストの点数が予想よりも低かったため先生に質問に行ったところ、「アメリカの大学のライティングはとにかく量だ!」と言われ、次のテストでは、質はともかく量で勝負して欄外まで書いたところ高得点をゲットできました。そして後日、「これこそアメリカのライティングだ!」とお褒めの言葉をいただきました。

複数の科目を同時に受講しているわけですから、それぞれの先生の求めるポイントをしっかりおさえて、テスト勉強にあてる時間を上手に配分することが大切だなと思いました。また授業や課題でわからないことがあったら、躊躇せず先生に質問に行き、普段からやる気・熱心さをアピールしておくことも必要だと思います。

4.留学中のテストの思い出

4-1.徹夜続きでテスト当日に寝坊

普段から勉強漬けの毎日を送っていましたが、やっぱりテスト期間中は徹夜続きになることもありました。そして専攻の大事な科目「公共政策」の期末テストの当日、寝坊してしまったのです。あわてて準備して教室へ行くと、「一体何があったの? とにかくいまは教室には入れないから、X時にもう一度来なさい」と先生。一時はテストを受けられるのか心配で動揺してしまいましたが、無事に受けられて、単位も取得できました。

徹夜して準備しても、結局は睡眠不足で頭があまり働かなかったので、連日の徹夜はおすすめできませんね。

4-2.もしかしてカンニングを疑われていた?

私が留学した大学は一般教養の必修として、歴史の科目を2つとらなければなりませんでした。私は留学して1年目と3年目にこれら2科目をとりましたが、いずれも同じ先生でした。

1年目にとった歴史の科目は、どうにか単位をもらえたという感じでしたが、3年目にとった科目では、学期中の3回のテストすべてでAをとることができました。先生には「おめでとう」と声をかけてもらったのですが、ふと振り返ると、1回目のテストでAをとった後、2回目・3回目のテスト中、先生は私の机の前から動くことはありませんでした。1年目の出来から判断して、先生は私がAをとるのはおかしいと感じたのかもしれません。思い過ごしかもしれませんが、先生に疑われるくらい、自分自身の継続的な努力が実ったという自信にもつながりました。

5.まとめ

アメリカの大学と日本の高校のテストとの大きな違いは、よくいわれることですが、日本は暗記中心で、アメリカは意見を求められる、というものだというのは、私の実感としてもあります。

自分の意見を述べるためには、まず授業の内容をすっかり理解しなければなりません。その上で、自分の考えを論理的に述べることが求められます。

授業についていくため、大量の課題をこなすため、そしてテストに備えるために、日頃からコツコツ勉強して理解に努めることが必要です。私自身、週末も含めて毎日図書館で遅くまで勉強し、徹夜することもありました。

こんなに勉強がたいへんなのは、留学生だからというわけではありません。アメリカ人の学生も、みんなよく勉強します。そんな「みんなが必死に勉強している」環境に飛び込んでしまえば、日本では決してできなかっただろう量の勉強も、どうにかこなせるようになるものです。

これからアメリカの大学で初めて大きなテストを迎える留学生のみなさんも、未来の留学生のみなさんも、自分の力を信じて(そして周りにヘルプを求めながら)、前向きに勉強に取り組んでくださいね!


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