高校留学体験談:栄陽子留学研究所
土子 麻衣子(つちこ まいこ)さん
St. Timothy's School(メリーランド州)卒業

高校留学編

高校留学編


第10回 そして卒業

卒業式  憧れの白いドレスを着て

高校留学 イメージ1卒業式はとても感動的なものだった。当日は快晴! 私がSt. Timのカタログを見て憧れていた白いドレスをまとい花束を手に持って、青空の下、石畳のアーケードをくぐる。その石畳の前でカメラマンに写真を撮ってもらった後に、野外の通路を通り、緑の芝生の上に用意された卒業生用の椅子の場所までゆっくりと歩いていく。

その後で、校長先生であるMrs. Cookが卒業生だけでなく、下級生の中から優秀な生徒たちの名前を読み上げ、メダルを首にかけてあげていた。拍手をしながらその様子を見ていると、突然私の名前が呼ばれ、Artの優秀生徒、また2年間Honor賞を取りつづけた特待生、そして最優秀模範生として賞賛され三つのメダルを首にかけてもらった。もらった三つのメダルを見つめ、2年間のがんばりがやっと認めてもらえたことが嬉しくて、涙がぼろぼろ出てきて止めることができなかった。

私の卒業式に出席するために仕事を休んで、はるばる日本からきてくれた私の両親。彼らの目の前で三つもメダルをもらえたことは、ほんとうに嬉しかった。改めて、高校留学を認めてくれ2年間私のサポートをしてくれたお父さんとお母さんに、今とても感謝している。ほんとうにありがとう。


今振り返ると

期待に胸を膨らませていたアメリカでの高校生活だったのだが、実際はかなり過酷なものだったし、「高校留学を2年間も、よく生き延びられた……」と改めて当時の自分を振り返り、あの時の自分のガッツには驚く。

アメリカでの高校生活は確かに楽しいが、目的なしではやっていけないし、精神力の弱い人には太刀打ちできない厳しい世界だと思う。私は、高校留学をする人に最低限必要な要素は楽観的で、人並み以上に好奇心が強くて、何よりもステキな笑顔をもっていることだと思う。

楽観的というのは、クラスメイトに多少陰口を言われようが気にせず、いつも明るく人と接していけるということ。アメリカに留学すれば自分の両親もいないし、周りは英語ばっかりで心の拠り所がない。そんな環境で寂しいと感じることも多いはず。しかも高校時代のアメリカ人生徒は意地悪な子も多いし、言いたい事もバンバン言ってくる。精神的に強くないとだめだし、だれから何を言われても「はいはい、また言ってるよ。ほんと子どもっぽいな」などと軽く聞き流せるくらいでなきゃ、しまいにはストレスや人間関係の不満が溜まってきて大爆発!=「もう日本に帰る!」ってことにもなりかねない。実際私と同期にアメリカへ留学した友達の何人かは、1年後には日本に帰ってしまった。その子たちとはよく電話で話していたのだが、彼女たちからいつも人間関係での不平不満を聞かされていたような気がする。

高校留学 イメージ2それに、私のように高校だけでなく大学もアメリカに進学する例は稀らしい。大抵の場合は、高校留学を経験したほとんどの人たちは、高校留学中に力尽きるか、卒業まで行っても、日本の大学を希望する人が多いからだそうだ。私の場合、高校から留学して本当によかったと思う。自分を変えることができたし、自分の可能性もぐんと広がった。アメリカでの高校留学は、たしかに精神的にかなりきつかったけど、それを乗り越えた時、私はぐんと内面的に大きく成長していた。そして、なによりも自分自身に自信をもつことができるようになった。


未来の留学生たちへ

もし、今これを読んでいるあなたが単なる憧れで、しかも今の生活から逃げ出したいなんていう理由で留学を考えているんだったら、留学はあなたには無理なんじゃないかな? たとえ留学できたとしても、続かないと思う。だから、留学ってどんなものなのか、もう一度よく考えて欲しい。高校留学は旅行するみたいに楽しいことばかりじゃないってことを。高校留学は、毎日朝から晩まで勉強ばっかりで、とにかく精神的にキツイことも多いし、ストレスが溜まりやすいものだということを。日本で高校生をしているほうがよっぽど楽だし、絶対楽しい。

でも、もし反対に、あなたがちゃんとした目的をもって高校留学を希望しているのなら、絶対大丈夫!! 目的さえしっかりしていればアメリカ留学は絶対に成功する。そして留学経験はきっとあなたの将来にいろんな面でプラスになると思う。高校から留学しよう考えているくらいの勇気があるあなたなら、きっと充実した高校生活をアメリカで送ることができるはず! ぜひ、アメリカ留学の夢を実現させてくださいね。


*** 番外編コラムU  子豚の解剖***

生物のクラスで私は子豚の解剖をする羽目になった。子豚といっても、生まれる前にお母さん豚のお腹の中で死んでしまった豚の赤ちゃんを特殊な保存液につけてあったものを解剖した。血は抜いてあるから、メスで切っても、まるで茹でた鶏肉でも切っているような感覚で血はでない。

子豚を解剖するには、ちゃんと切り方のマニュアルがある。そのマニュアルに沿って、クラスメイト二人ずつがチームを組み、交代で子豚を解剖しなくてはいけなかった。けっこうかわいい顔の子豚だったから、クラスメイトの中にはあまりの残酷さに泣き出す人までいた。私だって、子豚を切るのにはかなり抵抗があったけど、私のチームメイトは嫌がるし、私がやらなくちゃ実験のレポートが書けないどころか実験自体、時間内に終わらせることができない。私がほとんど子豚の解剖をすることになってしまった。

豚の解剖が終わると、Mrs. Gildeaが「まだ時間もあるし脳みそを観察したい人はこう切ればいいのよ」と言ってお手本を見せ始めた。うわぁ! 最悪! と内心思いながらも好奇心から他の生徒たちにまじって、先生の見事なメスさばきを観察した。でもやっぱり自分で子豚の頭蓋骨を割って脳みそを見ることはさすがの私もパス!

解剖した子豚を片づけ帰り支度を済ませ、実験室を出ようとしたとき、まだ二人の生徒がなにか真剣に観察しているのに気がついた。もしやと思って覗いてみると、やっぱり子豚の脳みそを見ていた。それならまだしも、メスで白子のような子豚の脳みそをグサグサと刺しては「きゃー やわらかーい」とかなんとか嬉しそうに騒いでたっけ。かなり、グロテスクな光景だった。実験があった日の晩、食欲を失ってご飯がのどを通らなかった。しばらくの間は豚肉はおろか肉を見るのも嫌だったのは言うまでもない。



続きは高校留学編最終回 特集をお楽しみに・・・

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