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Washington National Zooでの仕事は早朝から始まる。朝は遅くても7時半には動物園には着かなくてはいけなかった。私が働いていたのは、いろんな種類の鳥たちがいるBird House。仕事はおもに清掃と餌やり。朝Bird Houseに着くと服を着替え、黒い長靴をはいて、そこで働いている飼育係の人たち全員に挨拶をする。それから、アヒルのプールの清掃をする。アヒルたちのいる野外の人工池に行き、池の水を抜く。それからアヒルを池の外に追いやって、重たいブリーチの入ったボトルをかついで、池の側面にブリーチをかけ、大きなデッキブラシでゴシゴシ磨く。それから太くて重いホースを両手で持ち、池全体に水をかけブリーチを洗い流す。池の排水溝を閉じて、水を貯める。
池はとても大きいので一つの池を清掃するのに1時間以上かかってしまうのだが、私は池を二つも任されていたので、清掃が終わるのは10時くらいになった。5月といえど外は暑く、この仕事を約1か月続けた後、私は小麦色に日焼けしてしまったほどだ。
動物園の仕事はそれだけではなく、鳥たちの餌をあげなくてはいけなかった。インコやオウムなど比較的おとなしい鳥ならまだしもワシ、ハゲタカ、コンドルそれと名前は忘れたが、クチバシが鋭くどう猛な鳥に餌をやるのは一苦労だった。しかも、そういう鳥は肉食のため死んだネズミをあげなくてはいけない。ゴム手袋をはめて死んだネズミをつかんで鳥たちにあげるのだが、感触はもとより、耐えられなかったのはネズミの死骸の臭い。最初の頃は息をとめて餌やりしたりと、悪戦苦闘だった。ハゲワシに餌をやるとき、他の飼育員がほうきで鳥を威嚇しているすきを狙って、私が走って餌箱にネズミを入れに行ったり、くちばしを大きく開けているハゲタカの口の中めがけてネズミをなげたり……。ホントにスリルたっぷりの餌やりだった。
お昼になると、ピラニアみたいな顔をしたぺったんこの魚をペリカンにあげる仕事が待っていたが、これはハゲワシなど凶暴な鳥とかに比べたらまだまし。それに自分で言うのもなんだが、私はけっこう野球の素質があるのかもしれない。ペリカンに餌をあげる時、いつもうまい具合にペリカンの口の中に魚をぽんぽんと放り込むことができた。いつもナイス・ストライクだった。
ペリカンを観察しているとおもしろいものを見ることがある。魚が大きすぎるとペリカンは魚を飲み込めずに吐き出してしまう。するとアヒルがその魚の傍によってきてつつき始める。何をしているのだろうと思って傍によると、魚の目玉だけがすっぽりとなくなってしまっていた。アヒルは魚の目玉が好物らしい。新しい発見にワクワクしながら、私はその晩、ちょっと興奮しながらホストファミリーに魚の目玉を食べるアヒルの話をして聞かせた。
掃除や餌やりのほかにも私には仕事があって、動物専門の獣医さんが鳥たちの健康診断をしに来る日は、予防接種の際に鳥たちをおさえたり、採取した血液の入った試験管を集めて保管したりもした。健康診断の日は、私のようなボランティアの人だけでなくBird Houseで働いている飼育係たちと総出で獣医さんのお手伝いをするので、普段の日よりもBird House中が活気づいていた。
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