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アメリカの両親は、二人だけの時間を大切にする。たとえ子どもがいても子どもたちを家に残して二人だけで食事に行くことがある。ベッツィ夫婦もそうで、ある日、私は子どもたちのベビーシッターを頼まれてしまった。ベビーシッターなんてしたことないし、子どもは大好きだけどやっぱり責任が大きい分、不安も大きかった。でもチャレンジ精神が旺盛な私は、ベビーシッターを引き受けることにした。
ベッツィ夫婦には、小学4年生の女の子と6歳くらいの男の子がいた。女の子の名は、サラ。男の子の名は、アイザック。アイザックは家族一のトラブルメーカー。短気で怒りっぽくて、わがまま! だから、両親も彼の教育には苦労していた。でもベッツィ夫婦の教育で感心させられたのは、決して子どもを甘やかさないが、愛情をもっていつもちゃんと子どもたちと向き合っているところ。アイザックがどんなにわがままを言って泣きじゃくっていても、駄々をこねて暴れても、「うるさい! いい加減しろ!」と頭ごなしに怒鳴って子どもに手を出すのではなく1分くらいかんしゃくを起こして暴れたいだけ暴れさせる。それからアイザックをつかまえて2階に連れて行く。泣きやむと彼が納得して反省するまで根気よくとことん話す。
ある日、アイザックがいつも以上に駄々をこねて、反省のために部屋に閉じ込められてしまった日があった。キッチンで頭を左右に振ってため息をつくベッツィに「言うことをどうしても聞かないのであれば、アイザックのお尻をたたいて理解させることも必要なんじゃないのかな? 私は子どものころ叱られるとよくお尻をたたかれました」と言ったことがある。すると、彼女は「私は親として、子どもを暴力で何事も解決するという考えをもってほしくないの」と話してくれた。
日本の親たちの場合はどうだろう。ベッツィのように子どもをしつける親はどれくらいいるのだろう? 親の言うことを聞かない子どもを怒鳴りつけたり、なかには殴る親もいるだろうし、そういう親は「これは愛のムチだ」というおきまりの言い訳をして暴力を振うことを正当化する。
反対に、子どものしつけに暴力は使わないが、子どもを甘やかしすぎて、しつけが全然なっていない親だって多い。そういう子どもを甘やかしすぎている親たちは、子どもを大切にしているようで、実は自分自身に一番安易な選択をしているだけなのではないかとも思う。そういう親は子どもと向き合って話し合うのが怖いのだろうか? そうするだけの自信がそういう親たちにはないのだろうか?
ベッツィ夫婦をみていると、そんな疑問が頭をよぎる。ヒステリックに泣きわめく子どもと話し合いながら、なぜ自分が怒られているのかをちゃんと理解させ反省させることは、とても根気がいるだろうし時間がかかるだろう。でも、もし私に子どもができたら、私はベッツィ夫婦のようなしつけができる我慢強い親になりたい。ちゃんと子どもと向き合える親に。しつけには厳しいけれど、子どもは親の愛をちゃんと感じることができる、そんなベッツィのような母親になりたいなと思う。
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