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ミュージカルのオーディションに合格したものの、練習は甘くはなかった。ミュージカルは、『アニマルファーム』というタイトルで、動物たちのお話。私の役は、子豚と猫の二役。子豚は途中で殺されちゃう悲しい役なんだけど、猫は必ず舞台に登場する役。
動物ってことで、ブタのときはブタの泣き声まじりで話さなきゃならないし、猫もそう。ふつうの人間の演技よりも何倍もむずかしかったし、私の場合は英語だから、アメリカ人の生徒たちの何倍も大変だった。最初の頃は、ミュージカルの監督にしょっちゅう練習中に怒鳴られてばかり。
ある日、「麻衣子! 君の英語は日本語英語だ。ぜんぜんなってない! こうなったら、君の代役を決めるしかないかもしれないな」って言われてとてもショックで、舞台の上で泣いてしまった。舞台そでに下がって一人で悔し泣きしていると、一番演技の上手なKellyという女の子が「麻衣子大丈夫? 放課後に私と一緒に発音の練習しましょうよ」って声をかけてくれ、Mr. Bonnという音楽担当の先生もその日、発声と歌の個人レッスンをしようと言ってくれ、二人との特訓の日々が続いた。
二人のお陰で、私の発声も徐々に上達していき、だんだん監督から注意されることもなくなっていった。また、その時の特訓のお陰で、英語の「L」と「R」の発音は今でも完璧にできる。KellyとMr. Bonnには今でもほんとうに感謝している。二人から助け合いの大切さとすばらしさを学んだ。ミュージカルの練習は毎日3時間。本番まで1か月しかない練習はとても大変だったし、悔しい思いも沢山したけれど、一緒に練習を重ねるうちに仲間たちとの友情が深まり、練習するのは楽しく全然苦に思わなかった。
そしてミュージカル本番。みんなの気持ちが舞台の上で一つになった。三日間続いたミュージカルの公演は大成功に終わった。ミュージカルを演じ終え、フィナーレのお辞儀をした時の震えるほどの感動と爽快な満足感は一生忘れない。ミュージカルに思い切ってチャレンジしたことで、私は大勢の仲間たちと一つのことをやり遂げることの素晴らしさを学んだ。
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