高校留学体験談:栄陽子留学研究所
土子 麻衣子(つちこ まいこ)さん
St. Timothy's School(メリーランド州)卒業

高校留学編

高校留学編


第4回  辛くも楽しい留学生活

クラッカー、ジャム、シリアル……

朝早く起きる私にとって唯一楽しみだったのは、夕食に食べたジャンクフード! ダイニングルーム(食堂)に置いてあるサラダバーには、いつもスープ用のクラッカーのパッケージが山積されていて、それをいくつか取ってダイエットコーラと一緒に食べながら勉強していた。食べちゃだめとも言われなかったし、私以外の生徒たちも平気でそのクラッカーを取って自分の部屋で食べていたから、たまになくなってしまっていることもあり、そういう時はかなりブルーな気分。

St. Timは周りが緑ばかりで車がなければどこにもいけないし、スーパーマーケットにさえ行けない。週に1度くらい、決まった日に学校からスーパーマーケットやデパートにシャトルバスを用意してくれる。スーパーマーケットに行きたい生徒は、前もってサインアップ・シート(sign-up sheet:予約表)に名前を書き込んでおかなければいけない。私もたまにスーパーに行きイチゴジャム、ヨーグルト、シリアルやグラハムクラッカーなんかを買い込んだりもした。イチゴジャムは、ダイニングルームに置いてあるクラッカー用。ヨーグルト、シリアル、グラハムクラッカーは、クラッカーが他の生徒に全部取られてしまった時のための夜食用に。とにかく朝3時なんていうとんでもなく早い時間に起きるためには、何か魅力的なMotivation(動機づけ)が必要だったから、食いしん坊の私にとって、そういった夜食作戦は効果バツグン! しまいには、目覚まし時計なしでも朝の3時には自然に目が覚めるようになってしまったほど。


早起きでキッチンスタッフと顔なじみに

朝早く勉強していると、もちろん外はまだ真っ暗。St. Timでは警備員やキッチンスタッフはほとんど全員が黒人。たまに朝勉強していると、窓をコンコンとノックする音が。そういう時にかぎってウトウトしているからすごくびっくりしてノックの主を探すと、窓の外にいつも白い歯が! 白い歯の主は警備員さん。黒人の警備員さんだからどうしても暗闇で姿が見えない。そのかわり彼の白い歯はよく見えるってわけ。「おや、がんばってるね。でもちゃんと寝なきゃだめだよ」って言って手を振ってくれる。それが嬉しくて私もまた勉強に集中する。大好きなクラッカーをつまみながら。

警備員さんのほかに、早起きの私は、キッチンスタッフの人たちともよく顔を合わすせいか仲良くなった。キッチンのドアは7時に開くが、宿題を終わらせ、おなかをすかせた私が、ドアの前でいつもニコニコ笑顔でドアが開くのを待っているせいだろう。キッチンスタッフのなかには怖い顔のおばさんがいたが、しまいには私の顔をみると「おはよう!」って、キッチンのドアを開けながら笑顔で挨拶してくれるようになった。キッチンスタッフは、生徒が希望するものを作るためにリクエスト用紙を用意しておいてくれたので、私は「朝食にはバナナブレッドをよろしく!」とか「夕飯にはサツマイモのスコーンを!」とか書いてキッチンの壁によく貼り付けていた。

キッチンスタッフはお誕生日の生徒にケーキを焼いてくれる。普通なら、夕食の時にそのケーキをみんなに披露してみんなで分けて食べるのに、私がシニア(12年生、日本の高3)の時は、私のお誕生日に真っ白で大きな丸いケーキを用意してくれていた。しかも私をキッチンに呼んで、こっそりケーキを丸まる一つ、私にプレゼントしてくれた。白いケーキの上には大きく緑と赤の文字で"Happy Birthday MAIKO!!"と書かれてあった。とても嬉しかった。


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