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留学OGが聞く現役留学生の汗と涙の留学記

 

池田 佳生さんに聞く

東京大学の薬学部にて修士号を取得後、同大学院の生物化学修士課程で勉強を継続していたものの、留学を決意し Ohio State University の Biochemistry Ph.D. プログラムに入学。温厚な秀才タイプで、研究者になるべき方です。

(写真は本文と関係ありません。)

池田さんは、東大薬学部で修士号をとっていらっしゃいますね。なぜ、アメリカの大学院に留学しようとお考えになったのですか? 東大で博士号をとるという選択肢もあったと思うのですが。

僕はたんぱく質の構造解析に興味をもって、これまで勉強をしてきました。有機化学で修士をとっているのですけど、途中で生物化学で修士に入り直したりもして、進路に少し迷っていたのです。その時、アメリカで研究をした経験のある先生から、「そういうことを勉強したいなら、これからはアメリカだ」と言われまして。それがひとつのきっかけです。

たんぱく質の構造解析というと、今をときめく分野ですね。そのような分野で、アメリカの大学院に入学するのは大変でしょう? それで栄 陽子留学研究所に来たのですか。

いえ、去年は自分で出願をしました。エッセイの添削や留学のアドバイスをしてくれる所へ行ってエッセイを見てもらい、留学雑誌のランキング上位に載っていた40校ぐらいにメールを送って……。去年は推薦状がないという状態だったので、まず「推薦状がなくても出願できるか」を学校に問い合わせなければならなくて、それが大変でした。その上で「推薦状がなくてもいい」と返事をくれた学校へ出願書類を自分で出して、返事が来なかった学校には、高校の先生と、友だち2人に書いてもらった推薦状をつけて。

高校の先生とご友人2人ですか。大学の教授は?

僕の指導教官である教授が定年退官して研究室の教授が替わり、新しい教授には推薦状を書いていただけなかったのです。これは東大に限らないと思うのですけど、教授が替わると研究室全体が入れ替わるみたいな部分があるんです。新しい教授の下で勉強することも考えなくはなかったのですが、なかなか…。

入りにくい雰囲気だった…。

そうですね。博士課程に進む時も試験プラス面接なので、教授に「(博士課程に)行っていい」と言われないと進めないという。

推薦状がないというのはネックでしたね。それで合格なさったのですか。

できませんでした、ひとつも。エッセイを添削してくれた所で「推薦状がないなら、学校へ行ってアピールしてきたほうがいい」とアドバイスされたので1校は行きましたが、歓迎はしてくれたものの「保留」どまり。

もう諦めようかと思っていたら、栄先生の本を読んだ母が無料講演会に行って、「カウンセリングにいらっしゃい」と栄先生に言っていただいた。それで昨年の夏、ここへ来ました。

でも、推薦状がないという状況は変わらないわけですよね。

ええ。定年退官した前の教授は別として、推薦状はもらえないだろうというのがスタート地点でした、ここへ来たときも。「誰か出してくれる人はいないか」と、カウンセラーの方と2人でかなり悩みました。

でも、そうやって考えていたからでしょうか。偶然なんですが、僕がアルバイトを始めた所というのが、授業もとっていた先生が始められたベンチャーの研究所だったんです。そこでその先生と僕のスーパーバイザーの方にお願いしたところ、承諾していただけた。これで3人から推薦状をいただくことができました。

この間、どんな立場の人に書いてもらうのがいいか、僕とどういう関係にある人に書いてもらうのがいいか、カウンセラーの方にずいぶんアドバイスをもらえたので、それはとても役に立ちました。また、実際書いていただく際にも、「こういう点をきちんと書いてもらってください」と、具体的なアドバイスをもらいました。去年はそういうことはまったく考えなくて、とにかく「推薦状はもらえない」としか考えられませんでしたから。

それで今年は合格されたのですか?

はい、3校。

何校出願して?

14校です。

14校! だいたい7校〜8校ですよね、大学院だと。やっぱり競争率を考えたのでしょうか。

そうですね、少ないと不安だった。あとはやっぱり、どうしても行きたかったので。

どこも競争率は高いですし、僕が興味を持っていること、これまで研究してきたことと先生方の興味が合わないとダメなので、(カウンセラーの方のアドバイスに従い)まず出願前に、関心分野が重なっていそうな先生方にエッセイとレジメをメールで送って、「これからそちらの大学院に出願しますから、よろしくお願いします」と言う、そういうはたらきかけもしました。

出願の前にもアピールをして、感触を確かめたわけですね。でも、大学院の出願締め切りは、どこも早いでしょう?

はい。ですから、昨年末までにはほとんど全部済ませました。夏から4か月間で。去年の12月24日も夜中までカウンセラーの方と出願書類の作成をさせてもらいました、ここで。

ただ、TOEFLとGREは前回の時に受けていてスコアが使えたので、残っていたテストはGRE Subject test (Biochemistry, Cell and Molecular Biology Test)だけ。去年はテストも出願もで、そのうえ推薦状がなかったから……、それに比べると今年は本当に精神的にも楽でした。

でも、学校ごとにエッセイの字数や内容が違いますよね。書類に書き込む内容も1校1校まったく違う。14校では大変だったのでは?

去年はエッセイの書き方がわかっていなかったので、段落ごとに書きたいことを書いただけでした。「この研究をしました」とか「推薦状がない理由は」とか。今年は、エッセイの書き方も指導してもらえましたので、それはずいぶん違いました。まとまったエッセイになったというか。

書類の作成は……もう、カウンセラーの方がほとんどやってくださったようなもので。僕は言われる通りにしていただけ(笑)。去年と比べたら、ほとんど何もしていなかったように思えるぐらい楽でした。

おんぶに抱っこ(笑)。でも、そんなに甘くはないでしょう、カウンセラーの方も。

GRE Subject testは、「この点以上を目指して」と言われました。なんとか、目標点プラス10点を取れたのでよかったんですけど。あとは…、何事もけっこうぎりぎりにならないとやらない性格なんで、「必ず何日までに」と作業の締め切りはきちんと立てられました。

カウンセラーの方は、池田さんのスケジュール管理係でもあった、と。

そうですね。自分のことだからやらなければいけないとわかっていても、けっこう遅れてしまって。僕一人では絶対にこんな結果は得られなかったと思います。3校に合格しただけじゃなくて、奨学金・学費免除ももらえたので。

合格した3校からですか?

3校とも学費免除で、行くことに決めた Ohio State University はその上、Stipend (奨学金)ももらえるということです。

推薦状があったかなかったかの違いだけではなさそうですね、去年と今年は。

去年は、学校から何かメールで言ってきた時なんかに、こちらからプッシュをしなかったんですよ。「保留」と言われても「そうか」と思っただけで。今年は何か言ってきたら返事をすること、とアドバイスされて。それだけでも大きな違いだったと思います。

あとは…、先生や学校に送るメールを「どういう視点で書くか」、「どういうふうにコミュニケーションをとればいいか」ということも、いろいろとアドバイスしてもらいました。日本人の先生とやりとりをするのとは、まるで違うんだなあと思いました、ほんとに。

池田さんは秋に入学して、Ph.D取得を目指すと。

その前に、ここので大学院留学準備のコースに参加します。リーディングはある程度推測ででもできるのですけど、リスニングとスピーキングはまだまだなので、大学院留学者対象の「サクセス講座」に参加するためセントラル・ミシガン大学へ行き、それからオハイオに行きます。

 

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