知らなかったではもう遅い?コミュニティ・カレッジへの留学にかかる費用の実態

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がんばればUCLAに編入できる?

最近、コミュニティ・カレッジに娘や息子さんが行っているという親御さんからの相談が多くあります。そんな親御さんたちが口を揃えて言うことは「留学エージェントにコミュニティ・カレッジへの留学は費用が安いという説明を受けていたが、実際は安くないのでとても困っている」というものです。

また、巷の留学エージェントさんたちは提携先が共通しているのか、問題となっているコミュニティ・カレッジのほとんどがカリフォルニア州やワシントン州の都会、またはそれに近い場所にあるものです。

さらに、多くの留学エージェントでは「コミュニティ・カレッジで、がんばって良い成績をとれば、カリフォルニア州であればUCLAまたはUC Berkeleyに編入できる、ワシントン州ならUniversity of Washingtonに編入できる」というのを売り文句に営業をしてくるのだそう。

「がんばればできる!」というのはなかなかクセモノの言葉で、勉強をがんばれば皆が東大に入れるわけでもなく、テニスの練習をがんばれば誰もが錦織選手になれるわけでもありません。しかし、ちょっと魅力的な言葉であることはたしかです。

 

ホームステイの実態

さて、コミュニティ・カレッジの学費は、年間9,000ドルくらいですから、とても安い額であるのは間違いありません。しかし、学生寮がありませんので滞在方法は、ホームステイになります。

日本ではこの「ホームステイ」がなぜか有名ですが、アメリカの学生は本来、寮生活を送るのが基本です。それをホームステイだと思い込んでいる日本人が多く、短期の語学留学や夏休みの留学と、本格的な大学への留学がゴチャゴチャになっています。

いまの時代は昔と違って、『大きな家で、子どもがたくさんいて、気さくな専業主婦のお母さんがパイを焼いてくれる』なんていうアメリカのホームドラマでありがちだったホストファミリーはほとんどいません。アメリカの女性もみんな働いています。

したがってホームステイ先となっているのは、老夫婦二人で部屋が空いているから、とか、お母さんと子どもしかいないので空き部屋を貸そうという、『経済的な目的』で留学生を下宿させる家庭です。留学生を二人預かっているなんていう家庭もけっこうあります。

そしてこの下宿が今や結構高いのです。1か月に800~1,000ドルくらいします。朝夕食は作ってくれますが、昼食はなし、また土日も食事がなかったりします。夕食の時間も平日19時とか決められていたりします。

でも、学生はどうしても生活がルーズになりがちなもの。徐々に現地に慣れてきて、日本人の友達も増えてきて、どこのラーメンが旨いなどの情報も入ってくると、下宿での食事がどんどん遠のいていくのです。したがって、食事やコーヒーなどの交遊費がバカにならなくなってしまうのです。

卒業までにかかる費用を具体的に計算

こういった事情を考えると、コミュニティ・カレッジへの留学は、一昔前までは1年間100~150万円くらいで行けるようなイメージでしたが、いまや300万円でも足りないのではないでしょうか。おまけに、留学して2年後にUCLAに編入できるというのも、怪しい話で、留学している本人もそれほど学力や英語力に自信があるわけではありません。

さらに大学の費用を見てみると、UCLAの1年度の学費+寮・食費はなんと53,000ドルというではありませんか。昨今の日本円(1ドル=125円)にすると、660万円です。University of Washingtonも約44,000ドル(550万円)です。

高校の成績もよく、英語力も高く、初めからUCLAに入れたんじゃないの? と思うような能力があっても、留学エージェントの勧めでコミュニティ・カレッジに行く人がいます。そういう人は2年後にUCLAに編入できることも稀にありますが、ごく普通の能力の持ち主は、そもそもコミュニティ・カレッジを2年で終えることはほとんどできません。3年はかかってしまいます。

しかもトップクラスの成績で卒業してなければ3年かかってもUCLAには入れませんから、UCLAを含むUniversity of California系列の大学よりレベルの低い、California State University系統の大学に編入することになります。(※大学の系統やレベルについての詳細はコチラ)これはまあ、普通の成績をとっていれば何とか編入することが可能です。

とはいえCalifornia State University系統の大学でも、いまや学費+寮・食費は年間30,000ドル近くします。日本円で375万円、お小遣いや海外保険・夏期の費用などを加えると、年間450万円くらいかかる可能性があります。

まずコミュニティ・カレッジで3年過ごすとして、年間300万円×3年=900万円。California State University系統の大学に編入する際に、単位の移行がうまくいかなければ、卒業までさらに3年かかり、これが年間450万円×3年=1,350万円。合計でおよそ2,250万円になってしまいます。親御さんたちは子供を留学はさせたものの、当初に考えていた予算とは全く違う金額になりそうだという予感がして、相談に来るのです。

州立大学で得られる奨学金の可能性

奨学金をもらう方法はないのか、早く卒業できる方法はないのか、というのが相談の内容ですが、州立大学はそもそも州内在住のアメリカ人にはとても安いので、あまり奨学金を用意していません。それに最近では中国人のお金持ちの留学生がたくさんいて、バンバンお金を払うので、そんなに留学生に奨学金を用意する必要もないと思っています。

コミュニティ・カレッジでは、留学生はまず外国人向けの英語のクラスを1年くらい受講しますが、このクラスの単位は、大学の卒業単位としては認められません。なので単位を大学で取り直すことも多く、大学編入しても卒業まで時間がかかってしまいます。

ドルが急激に騰がり、大学の学費も年々値上がりし、学費を支払えなくなって留学をやめて戻ってくるという人もいるという話もチラホラ聞きます。非常に残念なことだ思います。

当たり前のことですが、留学はその後の人生を大きく左右する一大事、決して失敗してはいけません。留学エージェントの安易なアドバイスや都合の良い営業トークだけを信じて決断するのはかなり危険です。

留学をするなら、自分が学びたい分野や卒業後の進路、実際にかかる費用や期間、奨学金の有無や獲得方法、生活レベルなど事細かにしっかりと調べてからにしましょう。

追記

費用の実態をただ解説するだけでは何も解決しませんので、当研究所のスタッフでキチンと費用を抑えて良い大学に編入できる新プログラムを作りました。留学費用にお悩みの方はぜひご覧ください。

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栄陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院教育学修士課程を修了。帰国後、日本で留学カウンセリングを立ち上げ、留学指導を行い、これまでに7000人以上の留学を成功させる。留学関係の著作も多数。 » 栄 陽子留学研究所について