アメリカ留学でみんな太る!? 留学中の食事について覚悟しておくこと

今回は食べ物の話をしてみたいと思います。

私は「アメリカに行くと食事がまずいのに太るという悪循環になるので、あまり行きたくない」という話を冗談まじりによくしますが、この食事が原因で留学したくないという人、実は結構いるのです。

アメリカの大学の学食メニュー

アメリカの大学の学食に、日本食はまず出てきません。味は塩とコショウ、そしてケチャップがほとんどです。

朝からオレンジジュースやリンゴジュース、牛乳、ホット&コールドのココア、コカコーラ、ペプシなどが飲み放題で、スクランブルエッグ、ポーチドエッグといった卵料理にウインナー、カリカリのベーコン、パンも幾種類もあってジャムやバターも付け放題。

おまけにチョコレートや砂糖、ナッツがたっぷりかかったドーナツもありますし、もちろんコーヒーや紅茶もあって、いくら飲んでも食べてもかまいません。

ランチや夕食には果物も山盛りに積んであるし、ソフトクリームメーカーまであるのです。もちろん好きなだけ食べられます。

留学して3か月・・・10㎏太った!

1970年に初めてこの食事を見たときの私の驚きはご理解いただけるでしょうか。デザートにはチョコレートケーキにアイスクリームを添えて食べるんですよ、それもとびきり大きいもの。

当時、私は3ヶ月で10kg太りました(笑)。そしてお醤油味のものが食べたくてたまらなくなるのです。うどんもラーメンもカレーも炒飯も食べたい。

私が留学したミシガン州の田舎ではまだキッコーマンのお醤油は見つからなくて、やっと手に入れたちょっと変な味のするお醤油でしたが、卵にかけて食べた時の嬉しさは忘れられません。

いまではアメリカの学食もとても進化していて、中華料理っぽいものも出ますが、やはり基本は変わらず塩コショウとケチャップです。

世界一のグルメ国、日本

世界の中で、日本ほど豊富な種類の料理を食べられる国はありません。おまけに、どの国の料理も本場で食べるより美味しいと思えるほど、味が洗練されています。

美味しいレストランを評価するミシュランガイドが世界的に有名ですが、三ツ星がつくレストランの数はなんと日本が1位なのです。

そう、日本人は世界一、食事に贅沢な国民。

したがって、どこの国に行っても、食事には満足できません。1回や2回その国の料理を食べて楽しんでも、毎日だとすぐに日本食が食べたくなります。

留学生たちの日本食事情

ホームステイをしながら留学している人が、いつの間にかアパートに移ってしまうのも、この食事が原因のことが多いのです。

アパートであれば自由に好みのものを作って食べられます。いまやアメリカのどこのスーパーでもお醤油やインスタントラーメンを売っています。

また、ホームステイをして食事に不満を感じると、ついつい週末などに日本食レストランに食べに行ってしまうので、お小遣いがたくさん必要になるのです。

一方、郊外の大学や高校で寮生活を過ごす人は、こうはなりません。というよりも、どうにも出来ない場合が多いです。

広大なキャンパスの中に生活のための何もかもがあって、そこですべてが完結してしまいますし、日本の食品を扱うスーパーやレストランはありません。

そもそも勉強が大変ですし、クラブ活動をやっていたりしたら、時間がどんどん過ぎていきます。

でも週末になってちょっと時間ができると、やはり無性に日本食が恋しくなるのです。なんとか中華料理のテイクアウトを探して、フライドライス(※炒飯)あたりを食べるのが関の山です。

若くてアメリカに住んで、すっかりアメリカに馴染んだ人でも50歳くらいになると、日本に帰りたくなる人がいるのです。みんな食事が原因です。

美味しいタラコとかしらすとか、お漬け物とか、そういったものが食べたくなるのです。ニューヨークの中心辺りに住んでいればたくさんの日本食がありますが、毎日そういうものを食べるのも、お金がかかるのです。

そして、その旬の美味しいものというのは、やはり日本でしか食べられません。

若者よ、何でも食べてやろうという意気をもて

日本人の繊細な舌が留学をはばんでいるなんて、あまり考えられなかったことですが、これは意外と高い壁。

かくして日本人は、どんどん日本の中に小さく固まっていってしまうのでしょうか。

「何でも食べてやる!アフリカのジャングルの中であっても何でも食べて生きてみせる」といったような肉食系(雑食系?)の若者がもっともっと出てきてくれないと、日本の国際化は危ないかもしれません。

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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家

1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。

『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。

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