アメリカ留学と仕事:栄陽子留学研究所

「僕のスポーツ人生」

中村武彦

 

留学について考え出したのは、会社に入社して1年くらい経過したときでしょうか。それまでは特に自分の人生について深く考えていたつもりでも、掘り下げが足りなかった。大学卒業のときにも考えましたが、あまりにも自分のしたいことが漠然としすぎていて、莫大なお金と時間を留学にまだ投資出来なかったのです。

とりあえず、日本一大イベント就職活動の波に飲まれ、色々と考えているつもりでも実際はそうではなく、早々にあの流れに乗って就職先を決めました。勿論、その時は複数の一流企業から内定を頂き、鼻高々でしたが。

自分は幼い頃からずっとサッカーをしてきました。大学でも体育会で続けており、さほど学問に興味がある学生であったとは胸を張っては言えなかったですが、それでも一流の企業に入り、立派な高層ビルに通勤し、今までは無縁であった大型機器などの勉強をし、それを販売する営業部隊に所属していた。

勿論あまり興味のない分野なわけだから、自分を律して勉強しなくては仕事が出来なくなる。今の日本のシステムではクビにはならないが、北米営業部にいたことから、アメリカの厳しい社会を目の当たりにしました。仕事が出来ない人はクビになる。逆に言えば、仕事が出来れば別に残業も休出もしなくていいわけである。本来あるべき姿と言えばそれまでですが。

そんな最中、自分は果たしてこの分野で仕事を続けていいのだろうかと疑問を持つようになったのでした。勿論やっていくことは出来るけど、元々サッカー少年だった自分は何故、情報通信の会社に入ったのだろう。就職活動のときによーーく考えた末の選択だったはずが、そのときの僕の気持ちは明らかに変化していました。もっと他にやりたいことがある自分に気がついていたのです。興味のあまりない仕事を自分で自分のお尻を叩きながら送る人生よりは楽しく取り組める仕事を見つけたい!

そんなある日、とある一つの新聞記事が目に入りました。外資系スポーツマネジメント会社で働く日本人の特集。「へぇ、こんな会社や仕事があるんだ。」素直に僕は感動し、そして触発されたのです。今の仕事は自分にどんな将来を拓いてくれるのだろうか。このまま、情報通信のプロになる人生が果たして自分にとって幸せなのだろうか?

世の中、大部分の人がさほど興味のないことでも、それを仕事とし、そして必死に勉強をし、それでお給料をもらい、自分の人生を築いている。そして仕事外の時間に趣味とか人生を豊かにしている。勿論仕事が生きがいで人生が豊かな人も大勢いる。

ただ、僕自身は明らかに前者であった。仕事時間以外は極力仕事と無関係な自分の生きがいを持っていた。それはサッカーだった。サッカーのことであれば、何でも苦ではなく楽しく取り組めた。でも仕事のせいでその趣味を我慢することも徐々に増えていたことも事実でありました。しかしサッカーは娯楽でしかなく、それ以上のものではありませんでした。

そして入社1年を経過したところで、このサッカー、スポーツを仕事に出来ないものかと考え出すようになったのです。この頃にも勿論留学という考えが脳裏をかすめましたが、お金、時間が馬鹿にならない。そのまま働いていても貯めるのに数年かかる費用だ。まだ目的もはっきりとしていない状態で留学という時間とお金の投資は出来なかった。これだ!と決まったときに留学という切り札を切りたかったのです。

幸運なことに色々な方のご助力でスポーツ関連の企業でお手伝いをすることが出来たのです。ここでの仕事を通して自分は改めて自分の進みたい道について色々知り、そしてようやく、入社2年半で会社を退職する決意が出来たのです。

その仕事とは、Jリーグなどで活躍する学生時代からの友人や先輩、後輩などが長くサッカーに関わっていけるサポートの出来る会社、人材派遣の会社を自分が将来作ることが出来たらなぁと考えるようになったのです。ビッグになれば引く手尼手ですが、そうではない選手や人もたくさん知っていたのでした。有名選手とビッグマネーを目的とするのではなく、サッカーを職業にしていることが幸せだという人々の力になれるような会社。スポーツを愛している人は医学部の方が医者になるのと同じようにスポーツの道で生きて行けるはずなのです。そのためにもスポーツビジネスとはどういうものか?勉強したくなったのである。

退職後そのスポーツ企業に御厚意で転職させてもらい、W杯の仕事をする一方で大学院進学の資料集めや勉強を少しずつ開始しました。・・・が、自分一人では解らないことが数多く立ちふさがり、栄陽子留学研究所の門を叩いたのである。留学目的ははっきりしていた。ここまで考えたから迷いもなかった。だからこそ、正確な情報やアドバイスをしてくれる人が必要で、ここに相談に来て間違いなかったのです。自分ひとりで準備していた頃には雲の上の存在であったUniversity of Massachusetts, AmherstのSports Managementから入学許可の手紙が来たときの喜びは最高でした。

自分は留学ということを大学卒業後に3回考える機会があったわけですが、馬鹿にならないお金と時間を自分に投資するということを考えると安易に踏み切ることは出来ませんでした。「海外に行けば何とかなる」、「MBAを取ればなんとかなる」、という感覚の方も多いですが、僕個人の考えとしては、確かに「何とか」はなるでしょう。ただ、そこまでの時間とお金をかけて「何とか」では勿体ないんじゃないかなぁと考えます。これも僕の個人的な意見ですが、人生は一人で生きていくことは不可能ですが、自分で切り開ける部分もあると思います。そこの部分に自分の時間やお金をつぎ込み、手段として留学するのであれば最高の留学になるのではないかなぁと思います。

就職したことも3年弱の勤務も全く無駄だとは思いません。むしろそれのおかげで自分の人生について深く考えたわけですし、今回の納得の留学に漕ぎ着けることが出来たと確信してます。そして、これからの人生でまた考え方や価値観が変わると思いますが、それは成長しているから当然で、終身雇用のように考えや自分の居場所が一生とどまるよりはずっと人生を楽しめると思います。

留学、就職、無職、留年、どれも前向きに捉えれば無駄なことは一つもありません。日本国内の杓子定規な価値観に捉われることなく、自分の価値観で人生歩めばれば、と僕は個人的に考えます。

最後になりましたが、栄陽子留学研究所の皆様、本当に色々とありがとうございました。これから頑張ります。

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