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留学しよう、と決めた理由の一つに就職のことがあった。私が就職活動を始めた1999年頃は「超氷河期」と言われ、周りはみんな目の色を変えてハガキを送りまくっていた。「自分のやりたいこと」や「自分に向いていること」より、入れる会社を探すことが先決だった。どうしてもその傾向についていけない、だからと言って何がやりたいのかもよくわからない。そんな時に図書館で栄さんの本を見つけて、それがきっかけで、あれよあれよと言う間に留学することになってしまった。
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アメリカに行く前の日記に、確か「留学中に自分のやりたいことを見つける!」と書いたと思う。せっかく一杯お金を出してもらってアメリカで勉強させてもらうのだから、せめて自分が進む道ぐらい見つけておきたい。自分が楽しい、面白い、と思うものにピッピーと来るように、常にアンテナをオンにしていなくちゃ、そんな気分だった。
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アンテナ・オンが功を奏したのか、私はCIS (Computer Information Systems) という学科をすごく好きになって、それを専攻して、仕事も勉強していたデータベース関係のものに絞ることにした。サンフランシスコで開かれたジョブフェアへ参加し、2日間で10社近くのブースを回った。面白いことに、ニコニコスマイルで通した最初の3社はあっけなく落とされた。疲れ果てて、好きなことを言いまくった残りの会社から、2時面接の知らせがあった。「素のままの自分を出すのが一番良いんだな」というのを実感した。
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結局、日本に一時帰国して、数社の最終面接を受け、夢にまで見た会社で働けることになった。これから研修を受けて働かせてもらうので、しっかり、レイオフされないように頑張ろうと心に誓っている。
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面接で会社の方がおっしゃられたことは、留学生には、英語が話せることや、国際感覚だけを求めているのではない、ということである。会社側に言わせると、留学して卒業してきた人間は(全員ではないが)殆どが皆、かなり忍耐力があって、問題解決能力に長けているのだそうな。言われてみるとそうかな、とも思う。言葉がわからなかったり、文化の違いに愕然としたり、分厚い教科書の前で泣きそうになったりしても、いつも誰かが助けてくれるとは限らない。そのうち、嫌なことがあってくよくよしても、立ち直りが早くなり、困ったことがあっても、自分でなんとかしようと考えるようになる。壁にぶつかっても逃げ出そうとしなくなるのは、自分が最初の一歩を踏み出さないことには、前進できない、ということを経験しているからだと思う。
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あと、私が就職活動で感じたことは、アメリカに来て「自分に向き合う」機会が多かった、ということ。遅くまで図書館に残って勉強していると、なんでこんな勉強をしているんだろう、とか、なんで自分はこの道を選んだんだろう、とか考えることが多い。自分が下した決断や、置かれている環境や、いろんなことを一人で考えることで、「あー私ってこんな人間だったんだ」と思うときもあれば、「私ってこれに向いているのか?!」と何か発見する時もある。よく就職活動の第一歩は自己分析、と言うけれど、私の場合は、夜の図書館で窓に映った自分に話し掛けることが、自己分析になっていたと思う。
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留学したら就職は楽になるか?ポーッと何も考えずに過ごしたら駄目だけれど、目的をもって、アンテナを張って勉強したら、自ずと道が開けると私は思う。これから留学する方々、是非ともあなたのアンテナをオンにして、自分の好きなことを嗅ぎ分ける鼻を鍛え、夢中になれるものを見つけて下さい。そうすれば、きっとあなたの進む道が開けますよ。
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