留学事情:栄陽子留学研究所
■ 当世留学事情

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第75回 にぎやか華やか米卒業式 『教材新聞』平成13年7月2日号掲載 

5月6月はアメリカのあちこちで卒業式が花盛りです。入学式のないアメリカの学校は卒業式こそメインイベントで、ファミリーにとっても大変楽しいお祭りです。高校はもとより、大学の卒業式でも、おじいちゃん、おばあちゃんもこぞって出かけて行きます。

寮制の女子高校の卒業式はそれは美しく、みんな真っ白なウェディングドレスと見紛うばかりの盛装です。白を着るというのが一つのルールで、超ミニでもロングでもかまいません。自分に似合うものというのが基本です。今は盛りの女の子たちがそれぞれ個性を競い合って、個性に合わせた自分のドレスをまとって現れるのは、素晴らしい眺めです。また、卒業式は屋外で行われるのが通例で、さわやかな緑の中、とても美しいセレモニーです。

ボストンのように教育都市になりますと、あちこちで卒業式に参加する教授方を見受けます。教授は、自分の出身校の学位を証明する飾りをつけたガウンをまといます。

博士号を持っている人は、大きな袖に何本も線が入っていて、首にもマフラーのような飾りをつけます。学校によって各々のカラーが決められています。卒業式ではこの各々の衣装をつけた教授方のきらびやかな行進があり、そのあとに生徒が続きます。

スピーチは長くなく、もっぱら学生の賞状授与になります。一人一人名前をよばれ、学長と握手をし賞状を受け取ります。何しろアメリカの学生は、卒業式のほんの数日前まで、死ぬほど勉強にあがいてこの日を迎えますので、その感慨もひとしおです。成績のわるい者は、卒業できるかどうかが最後の日までわからないということさえあって、それはそれは大変です。日本のように就職活動をする暇などないというのが現実です。まず卒業ありきなのです。

息子の卒業式のために今回渡米した私は、海の見える美しいキャンパスで好天に恵まれ、久し振りのアメリカのイベントを楽しみました。私の息子は、比較的嬢ちゃん坊ちゃん学校のような大学でしたので、気候を先取りするアメリカ人の典型の短パンにTシャツ姿のファミリーに交じって、特におばあさんが素敵な帽子をかぶり、ドレスアップしたファミリーもたくさん見かけました。

学生が賞状を受け取る時がきますと、ファミリーはいっせいに立ち上がり、盛大な拍手とかけ声を送ります。あちこちで10人ほどのグループが立ち上がって拍手する様は本当にほほえましいものです。

私も負けじと数人のスタッフを従え、大声で息子の名前を呼び拍手をしたものです。息子が自分の席にもどる通路にまで駆けよって叫んでいたものですから、警備のおじさんがそれを見て、息子に向かって「こっちにきてママにハグ(抱きしめる)しろ、ハグしろ」とブツブツ言うのですが、息子はニコッとしただけでさっさと自分の席に戻ります。

「どうしてだ、自分の時はママに何度もキスしたのに」とおじさんはまた、ブツブツいっていましたが、本当にアメリカ人は感情表現が素直です。

卒業式のあとは、写真を撮り合い荷物をまとめて、各々の家族の車に積み込みます。たくさんの家族が仲のよいルームメートやクラスメートごとに集まって、町のレストランでゆったりしたゴージャスなランチをとります。

また、学長主催で、式に参加したお客様や、主立った先生、理事、それから成績最優秀者とそのファミリーが招かれてランチがあります。学長から是非と誘われたのですが、せっかくなので、その町で一番美味しいといわれるレストランに行って食事をしました。同じ学校の卒業生ファミリーでいっぱいでした。

アメリカでは成績優秀者の表彰を卒業式の時に行います。そして、トップの者は、学長主催のパーティーに招かれるのです。この成績優秀であるということは、大学院に進学したり、仕事を探したりするのにとても有利に働き、履歴書に堂々と書くことができます。学業を専業としているのですから、成績優秀者を表彰するのは当たり前のことです。日本では、すぐ差別だといわれたり、逆に発表するとしたら全員のクラス席次を発表するといった極端な話になります。どうしてでしょうねぇ。

私の息子もCum Laudeという成績優秀者の一人に選ばれて、とても嬉しい思いをしました。日本でろくに勉強なんかしなかった者がアメリカで頑張った証がもらえたからです。毎年、私のところから留学している人たちが、たくさんこういった賞をもらい、卒業式に参加した親御さんたちはとても誇らしい思いをするものです。もらえなかったからといっても、それはそれで卒業式は素晴らしいので、どうってことはありません。どの人も卒業ということに大変な達成感があるからです。

日本ももっと素直にこういったことができないもんでしょうかねぇ……。卒業することに厳しく、また、成績優秀者は表彰する、なんて本当にシンプルなことだと思うのですが・・・。

アメリカの成績のシステムは次のようなものです。成績は、A:4.00ポイント B:3.00 C:2.00 D:1.00 
F:0と計算します。そして全学年を通じて成績の平均が、University of Massachusetts Amherstの場合、Summa Cum Laude(最優秀の意味):3.80以上、Magna Cum Laude(第二位優等の意味):3.50以上、
Cum Laude(第三位優等の意味):3.20以上となっています。

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