合否に大きく影響する「中学校の成績」

アメリカの高校への留学にあたっては、準備しなければならないことがたくさんあります。

アメリカの高校が合否を決める際に最も重視するのが中学校の成績です。中学校の成績は、出願者の学力や学習への取り組みかたを評価できる最も大きな資料になるからです。中学3年間にとったすべての科目の成績が評価対象となります。

アメリカのボーディングスクールへの留学をめざす人は、英語だけでなく、すべての教科でよい成績を修めるようにしましょう。中1より中2、中2より中3、というように成績が少しずつでも上がっていれば、その努力やモチベーションが認められ、アメリカの高校に好印象を与えます。また成績が最近のものほど、高校での学業をやっていけるだけの学力があるかどうかを示す目安になるので、より重視されます。

2月の出願に向けて

多くのボーディングスクールは2月に願書の受付を締め切りますから、中学3年生は2学期までの成績を願書に添えて提出します。そして中学校を卒業した時点で、3学期の成績もあわせた成績証明書を、再度、高校に提出します。

日本の高校に1年在学してからアメリカのボーディングスクールに留学する場合は、中学校の成績に加えて、高校1年次の成績も提出します。

与えられた環境でベストを尽くすことが大切

日本の中学校のレベルそのものについては、アメリカの高校によって考慮のしかたは異なりますが、よい中学校で悪い成績を修めるよりも、レベルはさほどでもない中学校でよい成績を修めることのほうが、アメリカの高校では高く評価されます。「与えられた環境でベストを尽くす」ことが大事だと考えられているからです。

日本の個々の中学校のレベルを把握しているアメリカの高校は少ないので、もし進学校などで思わしくない成績をとってしまった場合は、推薦状などでいかに中学のレベルが高いかを高校に伝えるとよいでしょう。中学校の成績が悪かったことの言い訳をエッセイなどで書き連ねることは好ましいとはいえませんが、悪かったことの事情や理由を、推薦状などを通じて客観的な立場から説明してもらい、そこからポジティブに高校留学に臨む姿勢をアピールすることはマイナスにはなりません。

高校にアピールする自己紹介文

エッセイとは、自分の意見や価値観、経験などを述べる作文のことです。アメリカの高校に出願者のことを知ってもらうための、またその高校に入学したい熱意を伝えるための、自己紹介文です。

エッセイは、合否を左右するとても重要な書類です。成績やTOEFL®テストのスコアといった数字では表せない個性や価値観、意欲、将来の夢などを、アメリカの高校はエッセイから読み取ろうとするのです。出願者にとっては自己アピールのチャンスですので、「いい作文」よりも、自分らしさ・ユニークさを存分に表現した作文を心がけましょう。

エッセイのトピック

エッセイのトピックについては、高校に指定される場合が多く、以下のような内容についての作文が求められます。

  • なぜアメリカのボーディングスクールに行きたいのか
  • なぜ当校を志望するのか
  • あなたのどのような点が人と比べてユニークだと思うか
  • あなたの人生において最も重要な出来事について
  • いままで読んだ本の中で、大きな影響を受けた本について
  • 最も尊敬する人物について

魅力的なエッセイを書くために

なぜアメリカの高校がエッセイを課すのかというと、中学校の成績やTOEFL®テストなどの数値だけではうかがい知れない、ユニークな素養を見いだそうとするからです。パフォーマンスを大切にするアメリカの高校は、エッセイによる表現力にも注目します。

アメリカでは、小さいころからいろいろな課外活動やボランティアをすることを薦められますが、これは深い内容のエッセイを書ける人になることにつながるからです。机の勉強だけではなく、じかに触ったり、自分の目で見たり、痛い目にあったり、共感することがあったり、いろいろなことを体で感じることがとても大切で、そのような経験が、より魅力的なエッセイに表れると考えられています。また文章力や表現力をつけるための読書も欠かせません。

このように日々の積み重ねが、よりよいエッセイを書くためには不可欠です。もともとエッセイには「正答」というものはありません。日々の生活のさまざまな局面を通じてありのままの自分の魅力を磨き、自分らしさを掘り起こし、それを言葉として表現することで「自分にしか書けないエッセイ」をめざしましょう。

推薦状とは

学校の先生に書いていただく推薦文のことをLetter of Recommendationといいます。

だいたいどこのボーディングスクールでも、

  • 担任の先生
  • 英語の先生
  • 数学の先生

この3名の先生に書いていただくように指示しています。

また、出願者のことをよく知っている人(部活の顧問の先生など)からの推薦状を添えるように指示される場合があります。

推薦状の内容

英語と数学の先生に書いていただく推薦状の書式には、まずその生徒のことをどれだけ知っているか、教えた期間などについての設問があり、次に授業内容と、生徒の理解度や学習態度が問われます。そのうえで、生徒の学力や達成度、協調性や計画性などを評価します。

担任の先生に書いていただく推薦状には、自由に書いていただくスペースが大きく設けられています。できるだけ具体的に、例を挙げて評価していただくとよいでしょう。クラブ活動やボランティア活動なども重要な評価のポイントになりますので、いかにそういう活動に熱心で、どのようなことに取り組んだか書いていただくようにします。

形式ばったものではないので、少々型破りでも熱意をもって書いていただくほうが、アメリカの高校には強い印象を与えます。アメリカは褒めるのが当たり前の社会です。日本ではちょっと気恥ずかしいような褒め言葉でも、アメリカでは功を奏します。推薦状がマイナス材料になる心配はありませんので、思い切って褒めていただき、あなたの魅力が存分に高校に伝わるように書いていただきましょう。

アメリカの高校は一斉の入学試験で合否を決めることをしません。中学校の成績やエッセイ、推薦状、テストスコアなどさまざまな審査対象を総合的に評価し、合否を判断します。

アメリカの高校が出願者に提出を求めているテストスコアとしては、SSAT®テストとTOEFL®テスト、及びTOEFL®Juniorテストが挙げられます。

SSAT®テスト:アメリカ人も受ける英語と数学のテスト

SSAT®テスト(Secondary School Admission Test)は、アメリカとその他の国で5年生~12年生を対象として行われる、数学と英語のテストです。アメリカの多くのボーディングスクールが、出願者に提出を求めています。とくに留学生を対象としたテストではありませんので、日本の中高生が英語のセクションで高得点をとるのはむずかしいでしょう。英語力についてはTOEFL®テストのほうで評価してもらえるので、それほど心配しなくてもかまいません。数学のセクションは日本の中高生にとってはそれほどむずかしいものではありませんので、数学でよいスコアをとるようにしましょう。

日本におけるテスト会場は、東京都調布市にあるアメリカンスクールと名古屋市のインターナショナルスクールです(2014年4月時点)。年に数回受けられます。

受験の申込などの詳細は、SSATテストの公式サイトを参照してください。

TOEFL®Junior™テスト:TOEFL®テストの中高生版テスト

TOEFL®Junior™テストとは、英語を母国語としない中高生を対象とした英語テストです。TOEFL®テストが大学進学者をおもに対象としているテストであることに対して、TOEFL®Junior™テストは中高生を対象としていることが特徴です。最近に開発されたテストで、日本では2011年に導入されました。

アメリカのほとんどのボーディングスクールは、留学生の英語力を判定するためにTOEFL®テストの提出を求めていますが、TOEFL®テストの代わりにTOEFL®Junior™テストのスコアを認める学校も少なくありません。

テストはリスニング、文法・語彙、リーディングの3セクションから構成されます。日本では主要都市で年に2回受験できます。テストの詳細や申込方法などはTOEFL®Junior™テストの日本語公式サイトで確認してください。

面接とは

アメリカのほぼすべてのボーディングスクールが面接(Interview)を課しています。願書を出したすぐ後(2~3月くらい)に受けるのが一般的ですが、名門高校になると、10~12月くらいに面接が行われることもあります。

ボーディングスクールでは、面接がとても重視されます。書類だけではうかがい知れない、出願者一人ひとりの性格や発想、コミュニケーション力などを、実際に会話を交わすことで評価しようとするのです。

面接は基本的にはそれぞれのボーディングスクールのキャンパスで行われますが、日本人の場合は、電話やスカイプでの面接が一般的です。また多くのボーディングスクールの面接官が世界中を飛び回っていますので、日本での面接のチャンスも少なくありません。

面接は楽しい

ボーディングスクールの面接の基本は「楽しい」こと。落とそうというのではなく、高校としては出願者のことを知りたいし、学校のことをよくわかってもらいたいので、話し合ってお互いの理解を深めましょう、というのが面接をする一番の理由です。出願者にとっては、面接は自分をアピールする絶好のチャンスです。

一問一答ではなく、楽しく会話をしましょうという感じですので、話題によってどのようにでも会話の方向は変化しますが、一般的には以下のようなことが聞かれます。

  • 自分の長所や短所、性格
  • 家族のこと
  • 在校中の学校のこと
  • 得意な科目、苦手な科目
  • クラブ活動など課外活動について
  • その高校を志望する理由
  • 留学する理由

面接の終わりには必ず“Do you have any questions?”と聞かれますので、その高校についての質問をいくつか用意しておくといいでしょう。アメリカの高校の面接官は話すのが大好きですので、こちらから質問を投げかけて面接官にできるだけたくさん、気持ちよく話していただくようにする、というのも有効です。

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