大学院留学を目指す─日本人が大学院留学する理由
アメリカの大学院を目指す日本人の動機も様々です。必ずしも明確なキャリアゴールを持っている人ばかりではなく、「よい就職先が見つからなかった」「このまま社会に出るのはちょっとためらわれる」といった理由でなんとなく大学院留学を考える人もいます。
基本的にみんなに共通するのは「もともと留学にあこがれていた」ということです。英語力をつけたい、外国で生活してみたい、世界に通用する人間になるようチャレンジしたい、といった理由をあげる人もいます。
親に経済力と理解があったり、自分である程度お金を貯めたりして、留学の可能性が現実のものになるのは大変ラッキーなことで、チャンスがあればまずトライしてみることです。
当研究所のカウンセリングでとても多い質問は「帰ってきて仕事に就きやすい分野は何か」というものです。親や周囲から帰国後の就職のことを訊かれるからでしょう。就職のことだけを考えるのであれば、ビジネスやコンピューターを学ぶのが無難でしょうが、変化の激しい時代ですから、「これさえやっておけば安泰」などという分野はありえません。大事なことは勉強し、努力して自分を磨き、本当に好きなものを探しあてて時代の波に乗っていくことでしょう。
アメリカの大学院に留学して勉強する分野は、あなたが日本の大学で勉強した学部・学科と同じ分野である必要はありません。ただ、それなりのバックグラウンドは必要です。たとえば大学は理工学部でも、教職の単位をとっていれば、アメリカの大学院で教育学を学んでもOKです。大学は文学部でも子供の時からピアノをやっていて、実技のオーデションに耐えうるレベルであれば、音楽で大学院留学することも可能です。日本の大学の英文学科や英米科を卒業した人は「アメリカの大学院に行って英米文学を専攻したい」という人が多いのですが、これはいろいろな意味であまり良い選択とは言えません。むしろ多くの大学院にある「スピーチ・コミュニケーション」という分野がおすすめです。
一時より減ったとはいえ、一番人気があるのはMBA(経営学修士)を目指すコースです。なかにはMBAさえとれば自動的に良い仕事に就くことができ、高給を貰えると勘違いしている人もいるようです。大切なのはMBAをはじめとする学位・資格を取得するまでの努力や人との出会い、経験であって、そうした体験の積み重ねがその人の人生を豊かにしてくれるのだと考えるべきでしょう。アメリかの大学院留学で学んだ知識や技術、学位・資格をいかに生かすかは留学経験者ひとりひとりが考えていかなければならない課題なのです。